江別市立病院の内科系の医師七人が相次いで辞職を申し出て、九月末には内科系の四つの診療科の常勤医師がゼロになる可能性が強まっている。同病院は二○○四年度末で累積欠損金が三十四億円余りに達したため経営健全化計画を策定、本年度から五カ年で取り組み始めたばかり。医師不在で、計画遂行にも急ブレーキがかかりそうだ。
消化器科の常勤医師は七月までに辞職した。新たに辞職するのは循環器科の四人、呼吸器科二人、内科(内分泌系)一人の計七人。一人は地元で開業するが、残りは市外の民間病院などに移る。
昨年八月には内科系の常勤医師は十二人いた。流出が続くのは、池田和司事務長によると、「民間病院との労働条件の差が大きい」という。今春、院長が辞任し、そのまま空席となっている。
市立病院には夜間急病診療所(夜診)が併設されていて、当直医が救急医療にも駆り出され、「負担が重すぎる」と指摘されていた。
このため、市は夜診の分離を急ぎ、十月一日に錦町別館に移転オープンさせるが、常勤医師の辞職を食い止める決め手にはならなかった。
非常勤の医師で外来の診療をまかなっているが、玄関やロビーに「呼吸器科、循環器科、糖尿病、甲状腺の新患受け付けはできなくなりました」などという断りや、医師の離任予定を記した張り紙が目を引く。
心臓にペースメーカーを着けた人、肝臓動脈がふさがる、吐血するなど重い症状の患者は、紹介状を手に札幌への通院を強いられている。
入院患者も定員二百七十八床(うち四十六床は休止中)に対し七月末時点で百七十一人と減り、収益も悪化の気配だ。
小川公人市長を先頭に医師確保に奔走している。しかし、民間病院に比べ、報酬は半分程度とも言われ、苦戦が続く。医師不足の解消へ、抜本的な待遇改善も求められそうだ。
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まあ、何が悪いって、厚生労働省が悪いんですよ。こういう事態になるのは分かりきっていたのに、具体的な対策をせず伸ばし伸ばしにしてきたために起こったことでしょうな。詳しくは下記記事にて。
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