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2006年10月08日

Dr.コトー診療所2006、いよいよ10月12日より放送開始

ドラマ完成披露会見『Dr.コトー診療所2006』
 
 沖縄県与那国島でのロケが話題となり、また島唯一の医師である“コトー先生”と島に生きる人々の絆を強く丁寧に描いて感動を呼んだ『Dr.コトー診療所』。2003年の連続ドラマの後、2004年新春および秋には単発ドラマも制作された。そして再び、フジテレビでは、10月12日より毎週木曜22時から連続ドラマ『Dr.コトー診療所2006』を放送する。先ごろ、一足早く完成披露記者会見が開催された。

▼圧倒的スケールのロケーションで描かれる濃密な人間ドラマは健在!

 『Dr.コトー』シリーズの魅力のひとつに、その圧倒的なロケーションの美しさが挙げられる。メインのロケ地である沖縄県与那国島は、沖縄本島から509キロ、石垣島から127キロ、台湾まで111キロの国境の島。美しい海と空を持つこの島に診療所のオープンセットを組み、劇中の“志木那島の島民の生活”を描いている。最新作『Dr.コトー診療所2006』のクランクインは今年の6月。沖縄本島や東京での撮影も交え、入念な準備と制作期間を要して『Dr.コトー』の世界観を作り上げている。

 自然豊かなこの島の住民役には、実力派俳優が名を連ねており、絶妙な芝居の掛け合いも見所のひとつ。登場人物たちの背景がこれまでのシリーズで描かれ、土台となっている今作では、完成披露記者会見で大塚寧々さんが「親戚が集まったような感じ」と語るように、出演者の一体感がより一層強まっている。

 家族の病気や子供の巣立ちなど、誰にでも起こりうるできごとを通して、濃密な人間ドラマを展開。島の変わらない風景をよそに、今作はコトー先生が家族同様に大切に想う、柴咲コウさん演じる看護師・彩佳の病気が発覚する。コトー先生は医師としての冷静な判断と身内としての心痛の狭間で苦悩することに・・・。

▼「10年、20年経っても、決して色褪せることのないドラマになるように・・・」

 放送に先立ち、9月20日(水)に完成披露記者会見が都内で開催された。主要の出演者9名が登壇して舞台挨拶が行われたほか、第1話の試写会も同時に開催。放送スタート3週間前に、第1話が完成しているのは異例だ。クランクインの早さは元より、丁寧に作品が作られているのを印象付ける。
 
 “Dr.コトー”こと五島健助を演じる吉岡秀隆さんは「10年経っても20年経っても、決して色褪せることのないドラマになるよう、みんなで一所懸命頑張っておりますので、ご期待ください」と挨拶。星野彩佳役の柴咲さんは「前回とは全然違う彩佳さんとコトー先生との関係や島のみんなとの関係が、嘘臭くない本当の人間ドラマとして映るようにと思ってカメラの前に立たせていただいています」と意気込みを語る。

 新加入の看護師・仲依ミナ役の蒼井優さんは、「『Dr.コトー』は好きな作品だったので、今回声を掛けていただいて本当に光栄。1話を拝見して、自分が『Dr.コトー』の世界に入っていることがすごく不思議で、すごく感動しました」と緊張の面持ち。その一方で、漁師の安藤重雄役の泉谷しげるさんは「いつも台風にあたって島に入れないことも。台風を撮れ!と思うほどヒドイ目に遭ってるけど、映像的にはそんな苦労が微塵も出ていない」と不満をこぼしつつも場内を沸かす。診療所で事務長として働く和田一範役の筧利夫さんは「今回も本当に撮影が長い。ここまで3ヶ月やってまいりました。まだ3ヶ月あります。与那国島のロケでは毎晩、(彩佳の父・星野正一役の)小林薫さんと飲んでいて逃げ場がありません!」と話すと、会見は一気に和やかムードに。「久しぶりに現場に来てもホっとできる」(柴咲さん)、「やっていてチームワークを感じる」(時任三郎さん)と、長期の撮影で生まれた連帯感が、会見でも垣間見られた。

 中江功プロデューサー兼監督が「今回は、島にだいぶ馴染んだコトー先生が島の家族と接することによって、最終的には医者とは何だろうかということを描いていこうと思っていますが、言葉にするのは簡単でもそれは非常に難しく、日々奮闘しております。1話から、出演者も増え、事件もあり、診療所の核であった彩佳も病気になり、と大変な事態が起きます。ますます期待してご覧になっていただきたい」と語るように、目が離せない展開が待ち受けていそう。島の風景とコトー先生に癒されつつ、『Dr.コトー診療所2006』を楽しみたい。

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 ドラマ版も、漫画の第二部をやるようですね。最新巻の表紙に新しいキャラがいて「何だコリャ」と思い購入をためらってしまいましたが…面白いんでしょうか?正直、前巻で買う気を失ってしまったのは事実です。医療に重点置く感じになってきたら購入したいんですが。

関連:
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『Dr.コトー診療所2006』

出演/
吉岡秀隆、柴咲コウ、時任三郎、大塚寧々、蒼井優、桜井幸子、
大森南朋、富岡涼、堺雅人、泉谷しげる、筧利夫、小林薫ほか
プロデュース/中江功、増本淳、塚田洋子
演出/中江功、平井秀樹、高木健太郎
脚本/吉田紀子
原作/山田貴敏著『Dr.コトー診療所』(「週刊ヤングサンデー」連載 小学館刊)
制作/フジテレビ

▽フジテレビ系にて10月12日(木)スタート。
毎週木曜22:00〜22:54放送(全11話)
※初回は、22:00〜23:24放送(30分拡大)
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2006年10月04日

米国の医療保険に大きな穴があり加入者は悲鳴

米医療保険、全額負担の「ドーナツの穴」に悲鳴

 米高齢者向け医療保険「メディケア」の加入者で、薬代がある日突然全額自己負担になる「ドーナツの穴」と呼ばれる状況に陥るケースが相次いでいる。25日付の米紙ワシントン・ポストが報じたもので、今年1月スタートの補助制度に薬の総額が一定額を超すと保険適用率がゼロになる枠が設定されているためだが、高齢者の混乱を招いているようだ。

 米国は日本のような国民皆保険制度はなく、メディケアは65歳以上の高齢者を対象とした公的保険。従来適用外だった処方薬の補助は減税と並ぶブッシュ政権の経済対策として2003年の法改正で制度化され、今年1月にスタートした。

 「ドーナツの穴」は、処方薬の総額が2550ドルに達すると加入者の負担率が25%から100%にアップし、5100ドルに達すると今度は5%に減るというものだ。2300万人のメディケア加入者のうち約300万人が年内に「穴」に落ちると予測されている。

 乳がんを治療中の65歳の女性は5週類の治療薬3カ月分に58ドルを支払ってきたが、請求額が1294ドルにアップすることを今月知らされ、「どうしたらいいのか」とショックを受けた。

 「穴」の存在はもともと指摘されてきたが、認知不足もあり、制度開始から9カ月が経過して、「加入者の頭痛の種になっている」(同紙)。地域の高齢者サービス事務所では「どうしたらはい出たらいいのか」という相談で電話が鳴りっぱなし。中間選挙を控え民主党も「穴は必要なかった」と政権批判の材料にし始めている。

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 穴がなきゃ商売として成り立たんのでしょうね。

 こういうニュースを見ると、いかに日本の医療制度が素晴らしいかわかりますね。国民保険制度。破綻しそうですが、世界に誇るシステムです。

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2006年10月02日

2006年度のノーベル生理学・医学賞は「RNA干渉の発見」

ノーベル生理学・医学賞に米の2教授

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、2006年のノーベル生理学・医学賞を米スタンフォード大医学部のアンドリュー・ファイヤー教授と米マサチューセッツ大医学部のクレイグ・メロー教授に授与すると発表した。

 授賞理由は「RNA干渉の発見」。賞金1000万スウェーデンクローナ(約1億6000万円)は半分ずつ分ける。授賞式は12月10日にストックホルムで行われる。

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 出ましたね。ノーベル賞です。2chでは2年前に受賞するのではないかと言われていた2人が見事に射止めました。個人のみならず国としても栄誉ですね。おめでとうございます!

参考:2004ノーベル賞を予想する

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日本学術会議の会長に金澤一郎国立精神神経センター総長

<日本学術会議>皇室主治医の金澤氏、新会長に

 日本学術会議(会員209人)は2日、第20期の総会を開き、新会長に金澤一郎・国立精神・神経センター総長(65)を選出した。任期は同日から2年間。副会長は金澤新会長が3日に指名する。

 金澤氏は67年、東京大医学部医学科卒業。筑波大臨床医学系神経内科教授、東大病院院長などを経て03年から現職。専門は臨床医学で、アルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患の研究に従事してきた。また、皇室の主治医にあたる皇室医務主管を02年から務め、天皇陛下の前立腺がん治療や秋篠宮妃紀子さまのご出産などに付き添った。

 日本学術会議は国内70万人の研究者の代表で構成される学術機関で、地球規模の問題への対応や研究に関し幅広く提言している。

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 医学における権威的な団体です。そしてその長となった金澤一郎氏もまた、権威ですね。
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2006年09月30日

シーメンス旭、ブレないCTを発売へ。1台15億円

シーメンス旭、高精度CTを発売――心拍数90超でも心臓の撮影鮮明

 独系医療機器販売のシーメンス旭メディテック(東京・品川、ヨッヘン・ディック社長)は拍動する心臓をブレなく撮影でき、狭心症などを精度よく診断できる世界最先端の新型コンピューター断層撮影装置(CT)の販売を始めた。営業・サービス要員を拡充し、大学病院を中心に年内30台の販売を目指す。新型CTの技術力をアピールし、他の画像診断機器の拡販にもつなげる。

 従来のCTは被験者の心拍数が毎分80を超えると心臓がブレてうまく撮影できなかった。新型CTでは同90以上でも撮影できる。エックス線を照射する「管球」と、体内を透過したエックス線をとらえる「検出器」を一対搭載から二対搭載に変え、従来の半分の回転時間で断層像を撮影できる。カメラのシャッター速度が2倍に向上するのと同じ効果が得られ、拍動する心臓をくっきり撮影できる仕組みだ。

 エックス線の照射量やタイミングをきめ細かく調整し、被ばく量は従来機の半分に抑えた。価格は1台15億円

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 やー、医療機器の進歩って凄いなあ。ちょっと前まではCTすらなかったのに。どこまで細かくなるんだって感じですね。今の医学にはCTとMRIが欠かせない、それだけ強力な検査装置です。

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2006年09月24日

北村惣一郎氏と笹川千尋氏に武田医学賞

武田医学賞に北村、笹川両氏

 武田科学振興財団(大阪市)は20日、今年度の武田医学賞を北村惣一郎・国立循環器病センター総長(65)と笹川千尋・東京大医科学研究所教授(58)に贈ると発表した。贈呈式は11月13日に東京都内で行われる。副賞は各1500万円。

 北村氏は、原因不明の「川崎病」によって生じる子どもの冠動脈疾患にバイパス手術を行う治療法を開発した。笹川氏は、赤痢菌をモデルに病原因子と宿主因子の相互作用を解明するなど、細胞生物学的な手法で細菌感染のメカニズムを数多く明らかにした。

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 北村惣一郎氏、笹川千尋氏、おめでとうございます。国立循環器病センター総長と東京大学医科学研究所所長とは。二人とも凄い肩書きです。やはり偉大なことを成し遂げた人にはそれなりの将来が待っているものですね。

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2006年09月23日

「ばんそうこう」の呼び名で、出身地を特定できる

呼び名で分かる:地域編 出身地を推測できる「ばんそうこう」

 ばんそうこうは、各地で「バンドエイド」「カットバン」「サビオ」など商標名で呼ばれていることが多く、どう呼ぶかで出身地が推測できる。

 東京女子大の篠崎晃一教授(社会言語学)は、呼び方の地域的なバリエーションを「方言」ととらえ、約10年前に全国調査した。どの地域でも一般名称である「ばんそうこう」のほかに、複数の呼び方が存在している。篠崎教授の調査を参考に、その都道府県で一番ポピュラーと思われる呼び名の分布をまとめたのが別図だ。

 広く浸透しているのは、現在43%の市場シェアを誇るジョンソン・エンド・ジョンソンの「バンドエイド」だ。篠崎教授の調査時点で、全国でテレビCMをしていたのは「バンドエイド」だけだった。日本上陸は59(昭和34)年。メディアの影響力も後押しして、最も有名なブランドになったといえる。

 「リバテープ」は60(同35)年に星子旭光堂(現リバテープ製薬)が発売。創業のルーツが西南戦争という、熊本県のしにせメーカーだ。「熊本での認知度はほぼ100%。九州の人なら一度は聞いたことがあるはず」と同社総務部。九州では、ほかに「カットバン」の知名度も高い。命名の由来は「ばんそうこうをカットしたもの」だから。佐賀県に本社のある祐徳薬品工業の商品だ。

 北海道での呼び名「サビオ」は、もともとスウェーデンの有名メーカーの商品。日本では63(同38)年からニチバン、75(同50)年以降はライオンがライセンス契約を結び、販売していた。「20年ほど前は、北海道でシェア1位だった」(ライオン広報部)が、02(平成14)年に製造が中止されている。商品は消えたのに、商標名が一般名詞として使われ続ける珍しい例だ。

 篠崎教授は「現代になって新しくできたものの場合、ホチキス、サランラップ、宅急便などのように、特定のブランド名が一般名称のように定着する例はある。ばんそうこうは、複数の商標名が定着しているうえ、地域的な特徴も大きい」。かなりユニークな存在といえそうだ。

 ★東と西

 大きく分けて、関東と関西、東日本と西日本で呼び方が違う物も少なくない。例えば「赤ちゃんの夜泣き薬」。東では「宇津救命丸」だが、西では「樋屋奇応丸(ひやきおうがん)」。どちらも商標名だが、代名詞化している。

 一般名詞では▽画びょうと押しピン▽お漬物とお新香▽お汁粉とぜんざい▽今川焼と回転焼(ほかに大判焼、二重焼などの呼び名もあり)−−などだ。

 また、省略の仕方が東西で違う例も。ファストフードの「マクドナルド」は関東は「マック」、関西は「マクド」。約1500万部のロングセラー「試験に出る英単語」は東日本では「でる単」、西日本では「しけ単」が主流だ。

 日本マクドナルド広報部は「なぜ2種類の省略があるのか、どこが東西の境か。よく質問されるが、諸説あって正直よくわからない。会社側からは省略形で呼んだことはなく、どちらもお客様がつけてくれた『愛称』なので、ありがたいことです」と話す。

 ★局地的

 さらに「局地的」に特殊な呼び方をする物もある。例えば、中部・近畿ではコーヒーに入れるミルクを「フレッシュ」と呼び、関西では一部年配男性がアイスコーヒーを「レーコー」と言う。「おねえちゃん、このレーコー、フレッシュついてへんで」という具合だ。鶏肉を「かしわ」と言うのは近畿、九州など。

 鹿児島では黒板消しを「ラーフル」と言い、出身者の生活家庭部デスクは「大学で上京するまで、外来の標準語だと思っていた」と話した。

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 何で小学生の時「カットバン」と言う友人がいるのか分かりました。覚えていれば合コンなどでちょいとした話のタネになるかもしれません。

お勧め:医学処 新しい傷の治し方、ラップ療法について学び実践しよう
posted by さじ at 03:01 | Comment(4) | TrackBack(0) | NEWS

犯人のDNAをデータベース化。事件解決の糸口に。

容疑者DNAデータベース、1年で事件解決56件

 犯罪捜査で採取した容疑者のDNA(デオキシリボ核酸)型がデータベース化された昨年9月からの1年間に、データベースの活用によって容疑者が特定された事件は、56件に上ることが21日、警察庁のまとめで分かった。

 他の捜査方法で浮上した容疑者をデータベースで改めて確認するケースが多いものの、中には、6年前に発生し、容疑者が分からなかった殺人事件が解決したケースもあった

 同庁では、一昨年12月から、血液や毛髪など現場の遺留物のDNA型をデータベースに登録しているほか、昨年9月からは、裁判所の令状を得て採取した容疑者のDNA型をデータベースに登録している。

 今年8月末現在、容疑者の登録数は4190件、遺留物は3652件に上る。また、容疑者の内訳は、強姦824件、窃盗674件、強盗501件、殺人455件などとなっている。

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 こういう制度はね、とてもよいと思うのですよ。人権問題ダァとか騒ぐ人いますけど、アレですからね、これは。犯罪を未然に防ぐ措置ですから。全ての人間は平等ですが、それは全ての人間が善良であることを前提にした観念だと思います。犯罪、それも強姦や強盗などの重犯罪を起こした時点で、そのカテゴリーからは落っこちるわけですから、どちらの人を優先すべきかは自ずと。

 DNA鑑定で犯人が特定できればこれ幸い。頑張れポリス。人権屋に負けるな。
posted by さじ at 01:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

2006年09月19日

優れた医学研究者に与えられる「ラスカー賞」が発表

米医学賞ラスカー賞、うつ病認知療法の創始者など5人に

 ノーベル賞に近いといわれ、優れた医学研究者に与えられる米国の医学賞「ラスカー賞」の今年の受賞者5人を17日、ラスカー財団が発表した。

 臨床医学部門には、うつ病の認知療法の創始者として知られる米ペンシルベニア大の精神科医、アーロン・ベック教授が選ばれた。

 基礎医学部門は、老化の仕組みにかかわると考えられる「テロメアーゼ」という酵素の発見で、米カリフォルニア大のエリザベス・ブラックバーン教授、米ジョンズホプキンス大のキャロル・グレイダー教授、米ハーバード大のジャック・ゾスタク教授の3氏。

 特別賞は米カーネギー研究所のジョゼフ・ガル氏。細胞生物学と染色体構造の研究に貢献した。

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 テロメア発見は凄いですな。どの研究も、人類に大きく貢献しているものばかりでしょう。おめでとうございます。そしてこれからも頑張ってもらいたいものです。

参考:アパルト・ラスカー基礎医学研究賞

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2006年09月14日

インターフェロンの先駆者、岸田綱太郎氏が亡くなる

岸田綱太郎氏死去 インターフェロン研究の先駆者

 インターフェロン研究の先駆者として知られる京都府立医科大名誉教授の岸田綱太郎(きしだ・つなたろう)ルイ・パストゥール医学研究センター理事長が13日午前1時3分、肺炎のため京都市上京区の病院で死去した。86歳。東京都出身。自宅は京都市右京区竜安寺衣笠下町35。葬儀・告別式は16日午後2時から同市中京区御池通木屋町東入ル上樵木町503の1、かもがわホールで。喪主は長男綱郎氏。

 1920(大正9)年生まれ。同志社大文学部と京都府立医大を卒業。59年フランス政府技術留学生。75年から83年まで府立医大微生物学教室教授。

 ウイルスなどの侵入から体を守るタンパク質・インターフェロンの研究を60年代から始め、72年に日本で最も早くインターフェロンを人工的に生成し、肝炎や白血病の患者らに投与した。

 中学時代に仏の微生物学者ルイ・パストゥールの伝記映画を見たのが医師を志すきっかけといい、退官後の86年には、私財を投じてがんやウイルス疾患の研究と診療を行う京都パストゥール研究所(96年、ルイ・パストゥール医学研究センターに名称変更)を設立した。

 原爆投下2カ月後の広島に京都府立医大調査団の一員として赴いた経験から、「反核医師の会」京都代表を務め、核兵器反対や平和を訴える講演活動なども続けていた。

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 ご冥福をお祈り申し上げます。インターフェロンは難病の治療に欠かせない存在となりました。生涯研究熱心だったようで、まさに医者の鑑です。

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2006年09月13日

大月市立病院、医師不足と患者減少で3億5000万円の赤字

大月市立病院:3億5000万円赤字、建て替え計画保留 医師不足に患者減少

 大月市9月定例会は11日開会し、西室覚市長は所信表明で、今年度の着工を目指していた同市立病院の建て替え計画を保留することを明らかにした。医師不足と患者減少の影響で、同病院の05年度の決算が04年度の約5倍に当たる3億5346万8000円の赤字だったため。

 同市と同病院によると、同病院の05年度の総収益は23億1830万9000円、総費用は26億7177万7000円だった。診療科は計13科あるが、常勤の医師は7人のみ。小児科や産婦人科は非常勤の医師が対応しており、週に3日しか診察を行っていない。そのため患者数も減り、入院患者が前年度比17・5%減の3万8930人、外来患者が同24・5%減の8万458人だった。

 同病院は昨年4月、東京女子医大と「関連病院協定」を結び、医師派遣を受けて診療体制の充実に努めてきた。西室市長は5日、同医大に経営も全面的に任せたい意向を伝えたが、効果的な改善策が見いだせていないのが現状だ。

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 最悪な悪循環ですね。小児科&産婦人科医不足→対応できない→患者が来ない→収入減で医者も呼べない。

 市立だからと甘えていないで、経営努力はすべきだと思いますが、努力してもまかりとおらないほど病院の経営というものは苦しい。何故なら例のごとく、厚生労働省がアホだからです。もはや病院が赤字になるのは必然ともいえるほどの劣悪な診療報酬。一体何を考えているのか。そこまでして人の命に税金をかけたくないのか。役人同士で話し合って、医療費を減らすのではなく増やす方向にもっていけないものですかねぇ。土建業者が許しませんか?

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武田薬品、700億円をかけて中央研究所を新設

武田薬品、700億円投じ中央研究所

 武田薬品工業は6日、700億円前後を投じ中央研究所を新設する方針を固めた。約1000人の研究者が所属する業界最大の国内研究拠点となる。2010年度末までに稼働させ、がんやアルツハイマー病の治療薬など今後の有望分野の研究を加速する。武田の研究開発費は世界最大手、米ファイザーの5分の1程度だが、研究体制の再構築による効率的な新薬開発で対抗していく。

 建設地は大阪府茨木市と神奈川県藤沢市のどちらにするかを最終調整中。今秋中に決める。藤沢市には今年3月に閉鎖した藤沢工場の跡地があり、茨木市の場合は大阪府などが整備したバイオ・製薬研究の集積地「彩都」が候補となる。

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 景気いい話です。しかしファイザーって3500億も使ってるんですか…。まさにバクチの世界ですね。新薬開発に厳しい環境となりつつありますが、頑張ってもらいたいところです。

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2006年09月11日

ペットでも「医療ミス」

ペット“医療ミス”133万円賠償命令 東京地裁判決

 愛犬が死んだのは獣医の“医療ミス”が原因として、約557万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、東京地裁であった。滝沢泉裁判長はミスを認め、獣医に約133万円の支払いを命じた。原告関係者によると、ペットの医療過誤訴訟は立証が難しく、100万円を超える賠償が認められたのは極めて珍しいという。

 原告は平成8年、ラブラドールレトリバーの雄犬「バロン」を32万円で購入。12年に獣医の精巣摘出手術を受けたが、摘出したはずの精巣がんで15年に死んだ。争点は「獣医がきちんと手術していたか」だった。

 滝沢裁判長は「獣医が精巣を確実に摘出していなかった」と判断し、医師の責任を認めた。愛犬が死んだことで「相当の精神的苦痛を受けた」として、賠償額のうち50万円は慰謝料だった。

 原告代理人の弁護士によると、ペットは家族の一員との考えが広まっていることから、獣医に対する医療過誤の損害賠償訴訟は増える傾向にある。しかし、正確にカルテをつけない獣医がいることなどから立証が難しく、賠償が認められることは少ないという。

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 ペットは喋れないからなぁ…。それに専門分野である獣医という領域に素人は手が出せません。医療関係者以上にグレー。

 だから逆に言えば、それは獣医にとってもハイリスク。訴訟社会がこのままメジャーなものとなってしまったら、「うちのバロンが死んだのは獣医の手術ミスのせい」と言ってしまえば、おそらく医療以上に負けるパターンが多くなるでしょう。

 世の中言ったもん勝ちな風潮は間違ってると思いますけどね。
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結合双生児のドクさん、専門学校生と結婚へ。

<ドクさん>12月に結婚…市民団体が自立生活支援呼びかけ

 ベトナム戦争で米軍がまいた枯れ葉剤の被害を受けたとみられ、結合体双生児として生まれたグエン・ドクさん(25)が12月に結婚することになった。支援を続けていた市民団体「ベトちゃんとドクちゃんの発達を願う会」(事務局・福井県若狭町)は、自立生活を支えるための募金を呼びかけている。

 ドクさんは88年、ベトさんとの分離手術を受け、現在はつえや義足を使って歩きながら、ホーチミン市の病院職員として勤務。ベトさんは、急性脳症で寝たきりになっている。

 ドクさんの相手は、ボランティア活動を通じて知り合ったグエン・チ・タイン・テュエンさん(24)。結婚後は、支援施設を出て自立生活をしたいと考えているが、2人の収入を合わせても家賃を払うだけで精いっぱいだ。

 ベトナムでは、障害者の社会参加が進んでおらず、親が世話をしたり、施設で暮らすことがほとんどだという。ドクさんは「これからも枯れ葉剤被害を受けた子どもたちのために働きたい」と希望しており、同会はドクさんがさらに成長することを願い、今後も支援することを決めた。

 自身が車椅子生活を送る同会事務局長の河原正実さん(58)は「他の枯れ葉剤被害者に勇気を与えるためにも、自立生活を成功させてほしい」と話している。問い合わせは河原さん(090・5686・4079)。お金は郵便振替で「ベトちゃんとドクちゃんの発達を願う会」(00760―7―35075)へ。

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 もう20年以上昔なのですねぇ。今でもシャム双生児といえば「ペドちゃんドクちゃん」を連想する方も多いのではないでしょうか。

 二人とも支援施設、それも障害に理解のあまりないベトナムで勤務していれば給料は少ないでしょう。しかしこう、自立していくというのは良いですね。できれば募金は福祉のほうに使って、自分の手で「勝ち取って」ほしいものです。

参考:wiki ペドちゃんドクちゃん

関連:医学処 下半身が結合している双子の女児、分離手術に成功する
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2006年09月10日

山形市立病院済生館でインターネットサービス。1日30円。

山形市立病院済生館:入院中の患者、ネット接続利用 /山形

 山形市立病院済生館は、入院中の患者が病室からパソコンでインターネットに接続して利用できるようにした。7月下旬から個室(特別室、1人個室)で利用できるようになり、差額ベッド代とは別に電気代として1日30円かかる。現在71の個室のうち、4室で利用されているという。

 同病院では、これまで入院患者からインターネットに接続できる環境整備を要望されてきた。今年度に病院内の電話交換機を換え、同時に個室につながっている電話線もADSL(非対称デジタル加入線)にして、インターネット接続環境を整えた。

 同病院は「ホテルなどでもインターネット接続ができる所も多くなり、入院している時でも利用できるように環境整備した」と話している。

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 かなり良心的な価格ではないかと。入院したら思わずやってしまいそうです。でも個室か…。いくらするんだろう。ン万は確実か。
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引退した看護師の再就職を促進しよう

「潜在看護師」全国調査へ 日本看護協会、ネットで

 看護師や准看護師、助産師などの資格を持ちながら現場を離れている「潜在看護職員」の実態を把握するため、日本看護協会は10月から全国調査に乗り出す。結婚や出産などで仕事を離れた看護師たちから再就職したい時期や条件などを聞いて、深刻な看護職員不足対策に役立てる。

 厚生労働省によると、全国の医療機関で今年度必要になる看護職員の数は約131万4100人だが、実際には約4万1600人が不足していると推計されている。一方で、「潜在看護職員」は約55万人いるといわれ、人材の供給源として期待されている。

 だが、看護職員は医師と違い国などに登録する義務がなく、いったん現場を離れると連絡先などが分からなくなるケースが多い。このため再就職のあっせんなどが難しいと指摘されていた。

 調査への協力を呼びかけるのは、現場を離れているか、09年3月までに定年退職する予定の看護職員計約3万人。日本看護協会にホームページなどを通じ登録してもらったうえで調査票を送り、再就職するつもりがあるか、どんな条件なら再就職するかなどをアンケートする。

 調査結果は協会で分析し、看護職員の再就職に役立てる。協会では、都道府県ごとに設置した「ナースセンター」や、インターネットを使った「e―ナースセンター」で、看護職員の就職あっせんもしている。

 ネット上の登録期限は10月15日まで。アンケートは10月23日〜11月6日に行う。

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 なるほど。目のつけどころがシャープですね。

 再就職でもよければ、病院ボランティアとして主婦の片手間にやってもらっても構わないんです。日本ではそういうところの力が弱いから現職の医師看護師に負担がかかってしまうと感じます。

 気軽に、戻ってみてはいかがでしょうか。きっとみんな歓迎ですよ。
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2006年09月07日

医療ミスを繰り返す医師を行政処分する署名が提出される

リピーター医師:処分求め国に署名提出 三重の市民団体

 医療ミスを繰り返す「リピーター医師」への行政処分強化を求める署名を募っている三重県四日市市の市民団体「リピーター医師をなくす会」(伊藤永真代表)は7日、5028人分の追加署名を厚生労働省に提出した。同会は03年から毎年1回、同省に署名を提出し、4回分の合計は7万6202人分になった。

 伊藤代表の妻(当時32歳)は01年に同市内の産婦人科医院で長女を出産した際、麻酔によるショックで寝たきりとなり2年後に死亡した。伊藤代表は同じ医院で少なくとも過去3回、事故が繰り返されていたことを知り、03年5月に会を結成。以後、毎月1回の街頭署名を続けている。

 7日はメンバー4人が署名を提出後、同省の医療安全担当者と約1時間半交渉した。副代表の若林一道さん(47)は「医療事故の被害者が地道に改善を訴えることで事故防止策が少しずつ前進していると実感した。今後も署名は続ける」と話した。

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 ミスをする医師はよろしくありませんが、同じミスを繰り返す医師はもういりません。肝移植のなかった時代に肝移植にチャレンジするとか、そういう試みは別として、既に治療法として確立されているものをミスっていたら、そりゃもう医者としては失格なわけです。ダメな医者をどうにかするシステムも必要かもしれませんね。逆に厳しすぎても成り立たなくなるとは思いますが。

関連:医師に過失がなくても出産時の事故を補填する制度
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2006年08月30日

3人の看護師が確認を怠り、献血中にミスが発生

献血受付手続きをミス 日赤・県赤十字血液センター3看護師確認怠る

 日本赤十字社・県赤十字血液センター(草津市)が献血受付時の手続きを誤って処理していたことがわかった。採血担当の看護師3人がいずれも確認を怠ったという。血液は最終的に血液製剤に精製されたり、職員の教育訓練用に転用されたりしたため、同センターは「処理に問題はなかった」とし、献血者には説明していない。同センターでは昨年、長浜出張所で受付時の手続きを誤り、血液を廃棄するミスがあった。

 同センターによると、大津市内の40代男性が7日、同センターを訪れ、すべての血液成分を採取する「全血献血(400ミリリットル)」を希望。しかし事前検査を担当した女性看護師が勘違いして、申込書と採血バッグに「成分献血」のラベルを張ったという。この看護師はコンピューターに男性の希望通り全血献血として登録しようとし、ラベルと異なるという内容の警告画面が出たのに、そのまま手続きを続行した。

 実際に採血を担当した別の女性看護師もラベルの間違いに気づかずに「全血」として採血した。さらに、採血責任者だった別の女性看護師もこの日の献血内容が記された伝票の確認を怠ったという。

 男性が献血した血液は、成分分離された後、ラベルに間違いがあると発覚。病院での輸血用に使うと混乱を招くという理由から、血液製剤の原料や同センター職員の教育訓練用に使うことにしたという。

 同センターは再発防止のため、確認を怠った看護師3人に対して臨時教育訓練を行ったほか、今月中に同センターの全看護師を集めて献血手順について指導する方針。同センターの青島敏行所長は「思いこみで(ミスが職員の目を)すり抜けてしまった」と話している。

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 これは結構怖いですね。3人の看護師が同時に怠ったことで起こったミス。献血だったからある意味良かったものの、他のことだったら命にかかわりかねませんから。「ヒヤリハット」を未然に防ぐためには複数人による「確認」が一番です。人手不足で看護師の負担が大きかったというのもあるのでしょうが、気を引き締めていきたいところ。

献血関連:
医学処 「ご主人様、献血お疲れ様でした。」in秋葉原
医学処 未成年の1/4「献血?何それ?」
医学処 血液が薄すぎて献血ができないという女性が増加している
医学処 若者の献血離れが深刻。高齢者の献血のほうが多いという現状。
医学処 プラセンタエキスを注射した人からの献血は禁止。
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2006年08月24日

医療裁判の公平化のために、第三者による究明機関を設置

医療不審死、厚労省が08年度にも究明機関設置へ

 医療行為中の不審死(医療関連死)について、第三者機関が原因を究明する仕組みを構築する作業が、来年度から本格化することになった。

 厚生労働省が、外部の専門家による検討会を来年度に設置することを決めたもので、早ければ2008年度にも新制度がスタートする。厚労省では昨年から、5年計画で第三者機関による死因究明のモデル事業を進めており、その実績をみて検討を始めることにしていたが、患者、医療機関双方からの要望の高まりに応え、検討作業を前倒しすることにした。

 厚労省では、医療関連死の数を年間1万件前後に上るとみている。しかし、公的に死因を究明する制度はなく、患者側が病院の説明に納得できない場合は、民事訴訟を起こすか、捜査機関が立件するのを待つしかないのが現状だ。

 警察庁によると、05年に全国の警察が送検した医療事故は91件で、1997年の3件に比べ急増している。一方、最高裁によると、医療訴訟の審理は迅速化が進んでいるものの、05年に判決が確定したり和解したりした訴訟の平均審理期間は26・8か月と、訴訟を起こす負担はなお大きい。

 このため厚労省は昨年から5年間の予定で、死因究明のモデル事業を東京など6都府県で開始。第三者の医師が解剖と診療録(カルテ)の分析、医療機関に対する聞き取りなどの調査を行ったうえで、法律家も交えた評価委員会が報告書をまとめ、医療機関と遺族の双方に渡している。検討会でも、このシステムを参考に議論が進む見通しだ。

 このほか調査の実施主体や、費用を公費でもつべきか医療機関の負担とすべきかなど、制度設計の詳細についても検討する。実施主体については、〈1〉厚労省〈2〉新たな公益法人〈3〉学会や医療関係の団体〈4〉当事者以外の医療機関――など様々な可能性を議論する。

 医療機関にとっても、患者側との紛争の回避や早期解決につながるメリットがあり、刑事事件となるケースが減るのではないかという期待もある。

 今年3月には、福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた妊婦が死亡した04年の事故をめぐり、産婦人科医が業務上過失致死罪で起訴されたが、「結果が悪ければ医師個人の刑事責任が問われるというのでは、現場の委縮につながる」との反発が医療界から噴出。医療の専門家がかかわる死因究明制度の実現を求める声が医師らの間で強まった。

 医療事故に詳しい鈴木利広弁護士は、「調査に加わる医師に本来の仕事と同様の真剣さがなければ、第三者機関を設けても成功しない。また、中立性を保つため、モデル事業と同じように、調査結果の評価には、医療関係者以外に法律家なども加わることが絶対に必要だ」と話している。

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 これは患者である国民側にとっては有益なシステムですが、どちらかというと医療従事者側へのメリットのほうが大きいような気がします。昨今の、アメリカのような訴訟社会となりつつある風潮の中で、医学知識を持たない裁判官が医師に理不尽な判決を下すことが多くなりつつあるからです。

 勿論第三者機関には、司法関係者のような公平性が求められます。それができて初めて、ミスの隠蔽がなくなり、また、医療従事者が理不尽に負けることもなくなるでしょう。

関連;医療事故の慰謝料は「患者が医者に裏切られたから」交通事故よりも高くなる
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2006年08月23日

農村医療の先駆者、若月俊一さんが肺炎で亡くなる

「農民のために」無医村医療、若月俊一さん死去…96歳

 農村医療の先駆者と呼ばれた長野県厚生連佐久総合病院名誉総長の若月俊一(わかつき・としかず)氏が22日午前5時5分、肺炎のため、入院先の同病院で亡くなった。96歳だった。

 24日に近親者のみで密葬を行う。告別式の日程は未定。自宅は同県佐久市臼田2211の2。

 若月氏は、東京出身で東京帝大医学部を卒業。戦時中の1945年3月、開院したばかりの佐久病院(現・佐久総合病院)に外科医長として赴任した。翌年、院長に選ばれ、以来、「農民のために」をモットーに、無医村への出張医療や、近隣の同県八千穂村(現・佐久穂町)で全村民を対象に健康手帳と健康台帳を作成するなど村ぐるみの健康管理を推進。病気の早期発見で医療費削減にも効果を上げた。76年には地域医療に貢献したとしてアジアのノーベル賞と言われるマグサイサイ賞、81年には勲二等旭日重光章を受けた。

 病院では、がん治療機器の早期導入など先進医療の充実を図る一方、病院職員が役者にふんして「はらいた」などといった寸劇を披露、農民に病気を予防するための知識を分かりやすく伝えた。著書に「村で病気とたたかう」(岩波新書)などがある。

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 ご冥福を、お祈り申し上げます。偉大な人が亡くなってしまったと知ると、哀しくなるものです。

参考:No.11 『農村医学からメディコ・ポリス構想へ』
posted by さじ at 22:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS