来年度の診療報酬改定の個別点数配分の議論が中央社会保険医療協議会(中医協)で始まった。今回の改定の大きな課題は、過酷な労働を強いられている勤務医対策だ。医師不足が深刻化する産婦人科や小児科、救急医療などに手厚く配分することを求めたい。
厚生労働省が開業医の再診料引き下げを提案した。再診料は、開業医(710円)が病院(570円)よりも140円高い。厚労省はこれが、病院の夜間外来に患者が集中する一因になっているとみている。開業医の引き下げで浮いた財源を、勤務医の待遇改善策に充てようというのだ。
厚労省がまとめた医療経済実態調査によると、開業医の平均年収は2500万円で勤務医の1・8倍だ。限られた中でメリハリを付けるためにも、思い切った引き下げが必要である。
厚労省は再診料引き下げと同時に、開業医の夜間報酬を上げることも提案している。夜間救急を開業医にも分担してもらい、勤務医の仕事を減らそうとの狙いだ。開業医は夜間診察をすれば、再診料の目減り分を補えるわけで、積極的に協力すべきであろう。
ところが、日本医師会(日医)はこの提案に強く反対し、中医協の答申案骨子から「引き下げ」の文字が削除された。エゴむきだしの主張だ。今回は、日医が政府・与党に強く働きかけて、医師の技術料にあたる診療報酬本体部分が8年ぶりに0・38%のプラス改定となった。産婦人科や小児科など医師不足対策を理由としていたことを忘れてもらっては困る。
しかも、診療報酬本体部分の引き上げは、結果的に健康保険組合がその財源を肩代わりする形で実現した。大企業のサラリーマンは平均年5000円の保険料アップになるという。
医師不足対策はサラリーマンら国民に押し付けておいて、自分の身を切るのは嫌だというのでは、とても理解は得られまい。開業医も応分の痛みを分かち合うべきだ。
ただ、勤務医に手厚くしようとしても診療報酬を受け取るのは病院だ。勤務医にどう配分するかは病院経営者の判断にかかっている。引き上げ分が勤務医の待遇改善にきちんと反映されるよう、国民がチェックできる仕組みの導入も必要である。
分かっちゃいないネェ。医師会が引き下げに反対してるのは、「引き下げる」という行為がありえないというだけですわ。
開業医を引き下げるのではなく、勤務医を上げる。これが理想なのです。別に無理なことを言っているのではなく、労働時間に見合った収入を得るのは当然のこと。わざわざ開業医を減らして勤務医との差をなくそうというその発想そのものが、ありえないというんです。
勿論それは「理想」ですので、医療費削減がどうのと声高に叫ばれている今、無理に賃金を上げろとは言いませんが、「エゴむきだしの主張だ」とか言われる筋合いは全くありませんし、お門違いにも程があります。
医者は既に文字通り、「自分の身を切っている」んですよ。常人では考えられないような労働時間で、驚くべき安い賃金で国民のために働いている。その点を何故評価しないのか、私には理解できませんね。最終的には国民のためになるのに。今医療費削減の姿勢を支持してしまったら、日本の国民皆保険制度も崩壊してしまうかもしれないというのに。
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