米国の血液センターが困難に直面している。現在および将来の重要な献血者である16〜17歳の若者は、献血により内出血や失神などの合併症を起こしやすく、今後、若者による献血が減少する恐れがあるとの研究結果が、米国医師会誌「JAMA」5月21日号で報告された。
米国では2001〜2004年に、輸血量が2%増加したが、献血量は0.2%減少している。西ナイルウイルス感染症やシャーガス(Chagas)病のスクリーニングなど規制が増加しており、成人の献血適格者は全人口の推定38%のみである。幸い、感染症を有する可能性の低い若年者の献血は増加している。2005年には、米国赤十字社(ARC)の献血の14.5%を16〜19歳、8%を16〜17歳の献血者が占めており、その約80%は高校への巡回献血車によるものであった。専門家は、献血者が減少している状況で、この役割は大きいとしている。
16〜17歳の若者での合併症発現率は20歳以上の献血者の3倍であり、初回献血者の合併症発現率は2回目以降の献血者のほぼ3倍、女性は男性のほぼ2倍であった。地域差もみられたという。また、16〜17歳の献血者では、失神に関連した傷害(脳振とう、縫合を要する傷、顎[あご]の骨折など)が18〜19歳の2倍以上、20歳以上の14倍以上認められた。
これらの合併症は、若年者が再度献血をする意欲に影響を及ぼすことも判明した。16歳の献血者のうち1年以内に再度献血を行ったのは、合併症を生じなかった人では73%であったのに対し、軽微なものも含めて合併症を生じた人では52%であった
Eder氏は「これらの安全性のデータを収集することで、基準がわかり、献血者の経験をモニターし、改善することができる」と述べている。なお、献血による合併症を減らすには、たくさん水を飲む、十分に睡眠をとる、献血前に栄養のある食事を摂るなどの方法がある。
日本で献血を行う際には、水分をガンガン摂取するように推奨されていますし、何よりその献血センターで無料ドリンクの自動販売機や、スポーツドリンクを手渡されたりしますからね。
それでも針を刺す以上、失神を起こすことはなくすことはできません。合併症といってしまえばそれまでですけれど、献血が必要なことは代わりありませんので、是非とも、献血してもらいたいです。
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