医師不足や勤務医の過密労働が深刻化する中、現場に立つ若手医師ら約700人が参加する新しい団体「全国医師連盟」が8日発足する。
新団体のメンバーは、勤務医と研究医が8割を占め、平均年齢は42歳。開業医を中心とする日本医師会など既存の団体とは違った視点から、労働環境の改善や、医師不足が誘発する医療事故、医療紛争の解消などを目指していく。
具体的には、個人で加盟できる労働組合の創設、医療現場の現状についての情報発信などを進めていく。
昨年夏、現状を憂える若手医師ら4人が発起人となり、インターネットを通じて全国の有志を募った。今年1月には、約120人で準備集会を開き、新団体の設立を決めていた。
発起人の1人で、愛知県の民間病院の精神科医である三輪高之さん(35)は、「『患者のために頑張りたい』という初心を抱きながら、過密勤務に悩まされている医師は多い。そんな現状を打開したい」と話している。
8日に東京都内で、設立集会が行われる。過重労働問題などをテーマに医師らが講演する。
医師単体では、たとえ薄給で地獄のような労働を強いられようとも、「医師である」ことや「患者のため」とか「かさむ医療費の抑制」とか、そういう理由で、誰にも何もいえない状態ですからね。こういう団体が設立されるのは当然の経過だと思います。
よくアメリカの医療は最先端だと言われていますが、それは一部のお金持ちだけです。日本の医療は最先端基準の医療を誰にでもどこでも安価で提供できるという点で、まさに「世界最高の医療」だと思います。しかしそれは医療従事者の過労・薄給によって医療費を抑制することが可能であるがゆえのことです。しかし増えつづける医療費に対応できなくなっていることも事実。そのジレンマに苦しめられているのは、他ならぬ勤務医です。
そろそろ根本的に改革をしないと、医師が育たなくなっていくと思います。患者のためにも、必要な改革なのです。