「『世界献血デー』(14日)に、すべての自国民が滞在国で献血をするように」とのサウジアラビア政府の指示に従い、在日本サウジアラビア大使館(東京都港区六本木1)が留学生たちに献血をさせようとしたところ、多くは英国留学経験があるなどの理由で献血できないことが分かった。大使館は苦肉の策として、「大使館内でごちそうするので、代わりに日本人が献血して」と異例の呼びかけをしている。
同政府は「世界各地のサウジアラビア人が献血し、相手国と友好を深めよう」との試みを各国にある大使館に指示。在日大使館も4月、日本の大学などで学ぶ約200人の留学生にメールなどで協力要請を始めたが、留学生のほとんどはヨーロッパへの滞在・留学経験があった。日本は変異型クロイツフェルト・ヤコブ病への対応で、「80〜96年に1日以上英国に滞在した人は献血できない」との献血制限を実施しており、多くの留学生が該当した。
しかし、献血は本国政府の指示のため、日本だけ中止することはできず、大使館に日本赤十字社の献血車を呼び、日本人に献血してもらうことにした。その代わり、特例的に大使館の一部を開放し、昼にはサウジ風炊き込みに肉を乗せた「カプサ」など高級食材のお国料理を振る舞う。
外務省によると、大使館がこうした事情で建物を開放するのは例がない。日本赤十字社によると、大使館で献血が行われるのも初めてという。
ファイサル・ハサン・トラッド駐日大使(52)は「留学生が献血できないことには驚いたが、人類を救うことはイスラムの教え。1人でも多くの日本の方に協力いただきたい」と話している。大使たっての指令で、「金に糸目は付けず最高の素材」(大使館職員)の料理や菓子で礼を尽くすという。受け付けは14日午前10時〜正午と午後1〜4時。問い合わせは同大使館(03・3589・5241)
サウジアラビアの学生の代わりに日本人学生が献血をするという代替案をよく思いついたもんだという気はしますが、こういう試みの大らかさは誠に称賛すべきで、非常にナイスだと思います。
金に糸目はつけず最高の素材の料理や菓子を、大使館でご馳走するという点も素晴らしい。是非とも日本人学生は協力してほしいところです。サウジアラビアとの友好を示すチャンスでもありますし、こういう運動に参加するというのは日本人学生にとっても良い経験になるのでは。
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献血前の問診の時に、まわりの人の話を聞いていると、「献血は初めてです」と言う人が多かった。今まで献血に興味を持たなかった人が献血に興味を持ったというだけでも、この企画は大成功だろう。
ただ、今回はYahoo! ニュースなどで取り上げられたのでこれほどの効果があったのだろうが、献血は各地でいつでもやっているし、お土産目当てなら、だいたいどこでもクッキーは食べ放題、ジュースは飲み放題だ。新宿の献血センターだと、さらにハーゲンダッツのアイスクリームやロッテリアのチーズバーガー、ミスタードーナツのドーナツなどが食べられる。
そういった献血センターでは、学校帰りの女子高生が献血したあとおやつを食べながらおしゃべりしていたり、恋人同士がいっしょに献血しに来たりする姿も見られる。
今回をきっかけに、「献血は楽しいボランティア」という感覚が多くの人に広がればいいなと思った。
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080615/26372