内閣府がまとめた昨年1−11月の自殺者数は2万8542人で、通年では2年ぶりに3万人を超えることが確実になった。都道府県別の自殺死亡率では秋田が13年連続で全国ワースト1を更新しそうだが、秋田は自殺の減少率でも全国3位と状況を改善しつつある。反対に、増加率で西日本が高い傾向が顕著になった。増加数では大都市部が目立ったが、「不況の影響も感じる」という自治体関係者も多く、ここでも福田無策が暗い影を落としている。
秋田は人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率が35.4と、今年も全国最悪となりそうだ。だが、減少率も13.1%と全国で3番目に高かった。
秋田などの東北地方では元来、自殺率が高い傾向にある。高齢化や求人の少なさといった経済的な問題、冬場の日照量や活動の不足、社会的支援や医療資源の不足−などの要素が複合しているとみられ、特に自殺を誘う「うつ」になりやすい環境ともいわれる。
秋田の好転について、自殺対策の専門家として知られる秋田大医学部の本橋豊教授は「対策の効果が出た」と分析する。
全国の都道府県が、足並みを揃えて自殺対策に本腰を入れ始めたのは、2006年の自殺対策基本法の施行以後だが、秋田では00年ころから産官学民の枠を超えた連携を積極的に進めるなどの取り組みが続く。特にうつ対策では全国のモデルケースとなっている。同様に早くから対策を進めてきた山形も、今回の減少率は13.7%と全国2位の高さで、対策の効果が出ているという話もうなずける。
反対に増加率のワースト上位を見ると、(1)岡山(2)京都(3)高知(4)大阪(5)東京(6)宮崎−と、6位までに西日本の5県が入っている。
大阪府の自殺対策担当者は「詳細なデータがなく、詳しい検証は難しい」としながら、「現場の皮膚感覚では、景気の影響が大きいという感じはしています」と話す。京都府の担当者も「『京都いのちの電話』のスタッフから、経済的な問題が原因で相談をする人が多いといった話は聞いています」と証言する。
一方、増加率が17.4%とワースト1になった岡山の担当者は、「母数が小さいので、少し増えると比率が大きく変わってしまう…。それくらいしか理由が思いつかない」と戸惑い気味だった。自殺死亡率が38位と危機感も薄いためか、関係各所に自殺対策のパンフレットを配り始めたばかりで、後手というイメージはぬぐえない。
昨年、東国原知事の登場で注目度の高まった宮崎だが、増加率は急増し、自殺死亡率で全国ワースト2位に浮上した。県の担当者は首をひねるが、「県民所得が低い」という経済的な問題のほか、「県の西南部から鹿児島にかけて、何か不平不満があっても『議を言うな』という気質。いわば『黙ってがんばれ』という気質があり、それが影響しているという説もあります」とも説明する。
本橋教授は、西日本や大都市部で自殺の増加率が高くなったのは、「経済的に厳しいことや、対策をしていないことが原因と推察される」と指摘。景気の先行きに不透明感が広がるなか、今後は自殺の理由に経済的な要素が占める比重が高くなってきそうだ。
全国の自殺率です。パーセント表示は「人口10万人あたり」のものです。その右側は、自殺者数となっております。
1位 秋田県 35.4% 397人
2位 宮崎県 32.1% 367人
3位 青森県 30.5% 429人
4位 岩手県 29.6% 403人
5位 島根県 29.5% 216人
6位 新潟県 29.2% 703人
7位 高知県 28.3% 224人
8位 鹿児島県 27.8% 481人
9位 福島県 26.4% 546人
10位 愛媛県 25.4% 369人
11位 山形県 25.2% 302人
12位 山口県 25.1% 370人
13位 鳥取県 25.0% 150人
14位 栃木県 24.4% 491人
15位 群馬県 24.3% 489人
16位 北海道 24.2% 1357人
17位 宮城県 24.0% 564人
18位 茨城県 23.8% 707人
19位 熊本県 23.7% 434人
19位 和歌山県 23.7% 242人
21位 山梨県 23.5% 206人
22位 大阪府 23.2% 2044人
23位 大分県 23.2% 279人
24位 長崎県 23.1% 336人
25位 福岡県 22.8% 1154人
26位 佐賀県 22.7% 195人
27位 富山県 22.3% 246人
28位 広島県 22.2% 639人
29位 兵庫県 22.1% 1235人
30位 香川県 21.4% 215人
31位 沖縄県 21.2% 291人
32位 京都府 20.9% 551人
33位 長野県 20.7% 452人
34位 埼玉県 20.5% 1455人
35位 東京都 20.3% 2605人
36位 石川県 20.1% 235人
36位 福井県 20.1% 164人
38位 岐阜県 20.0% 420人
38位 岡山県 20.0% 391人
40位 静岡県 19.9% 755人
41位 千葉県 19.5% 1193人
42位 滋賀県 19.4% 271人
43位 徳島県 19.3% 154人
44位 神奈川県 18.9% 1683人
45位 三重県 18.0% 336人
46位 愛知県 17.9% 1317人
47位 奈良県 16.6% 234人
これを見ると、やはり経済状況とかより、「日光」との関係も深いのかなぁって気もしてきます。日の光をあまり浴びられない地方のほうが、自殺率は高いのではないか、と。
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医学処:春の訪れを感じる遺伝子を発見。鬱の治療に有効か。
医学処:大学生の自殺を職員が防止するためのマニュアル
医学処:大酒飲みは自殺のリスクが著しく高い
医学処:自己主張が強くプライドが高い若者に多いうつが目立つ。
農村地帯で、まあ、今年だけのことじゃないですけど、斜め向かいの幼なじみ、
二軒隣のおばあちゃん、
100m程先の先輩、
ついこの間は、隣の集落の20代のコも自死でした。
家族も統合失調症のような状態で包丁を持ったことがありますし、宮城出身の元夫も首吊り2回・OD1回しました。
わたしも鬱状態になり、死のうと思ったことが何度もあります。
狭い範囲なので、気になりますよね…
秋田・新潟・青森・富山・岩手・島根・宮崎・山形・高知・鹿児島の各県は自殺率トップ10の常連県となっています。
この10県は恒例化率が高いうえに平均所得が安い等の共通点があります。人口流出も著しいです。
自殺が一番多い年齢層は45歳から64歳までの中年層、次いで65歳以上の恒例層が目立ちます。
10県ともに35歳から44歳までの壮年層の自殺率も高いです。
高知県・宮崎県・鹿児島県は温暖で日照時間が長い割に自殺率が高いのは恒例化率と所得の低さが原因と思われます。
残る7県は高い恒例化率・低い所得に加えて「寒い」とか「日照時間が短い」という要素も加わります。季節別では冬に自殺率が高い傾向です。
自殺率上位常連県でも富山県は生活保護世帯率最下位、新潟県は離婚率最下位という北信越勢は意外なデータがあります。
山口県は瀬戸内海沿岸の府県にしては自殺率が高めの傾向にあり、北日本(新潟県を含む)や島根県と並ぶほどの自殺率に増えそうな気がします。
山口県は温暖なイメージが強いようですが、温暖なのは南東部に限るようで日本海沿岸や内陸部は日照時間が短いです。
下関市も日照時間はあまり長くありません。
昨年末からはトヨタ自動車のお膝元の愛知県でも自殺者が増えているようです。
やはり日照時間との関連は密接ですねぇ。昔より自殺率が増えているのも、昔のように日光を浴びる時間に外に出られないという点が影響しているのかもしれません。会社にいて日光を浴びる時間に外に出るのもかなり稀になってきていますし、更に県によってどうしても日光を浴びる時間に差が出てきていますし。
ずっと室内でも鬱になりやすいです。
本州日本海側のような曇りやすい気候ほど日照時間が短いから、本州日本海側ほど自殺率が高い傾向です。
恒例男性の自殺が増えています。
ホームレスか自殺か刑務所しか生きるすべがない
日照時間と自殺率の間には、単一での相関性がそれほどない。
日照量が多いキューバは、自殺率が高い。
キューバは医療費タダで、乳幼児死亡率が低く平均余命も高い。なのに、自殺率が高い。