仙台市泉区の北陵クリニック(2002年廃院)で2001年に発覚した筋弛緩剤事件で、被害者で現在も意識不明の同市の大島綾子さん(19)と両親が、元同クリニックの准看護師、守大助受刑者(37)=殺人罪などで無期懲役確定=を相手取り、計5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、仙台地裁であった。
潮見直之裁判長は「医療行為を装った凶悪な犯罪行為で、被害者の恐怖や苦しみ、絶望は計り知れない」として、請求通り守受刑者に計5000万円の支払いを命じた。守受刑者側は控訴する方針。
潮見裁判長は、大島さんの症状は、守被告が筋弛緩剤を投与したことが原因だと認定した。
判決によると、当時11歳だった大島さんは腹痛を訴えて同クリニックに入院した2000年10月31日、守受刑者に筋弛緩剤を混入した点滴をされた後、ろれつが回らなくなるなどして呼吸困難に陥った。大島さんは低酸素脳症となり、自宅で寝たきりの状態が続いている。
あの事件からもう7年も経ったのですね。
被害者も11歳から19歳へ。一番華やかな時期を1人の心無い医療者によって啄ばまれてしまいました。ご家族もさぞかし悲しんだことでしょう。
5000万。久々に、請求どおりの額の支払いを命じられ、その点では評価できます。しかし5000万は安すぎますよね。クリニックもすぐ廃業して、責任逃れか。
あってはならない事件として、今後も医療従事者の記憶に留めておかなければなりません。