島津製作所の田中耕一フェロー(48)が7日記者会見し、02年のノーベル化学賞受賞後に5年先の目標として語った「血液1滴から様々な病気を分析出来る技術」について「人間の体内はもっとシンプルだと思っていたが認識が甘かった。実現にはあと5年かかりそう」と述べた。
研究室では、従来型の数十倍の感度でたんぱく質を分析でき、がんなどの早期発見につながると期待される新型分析装置の試作機を初公開。秋ごろから内外のがん研究機関などに貸し出し、「万病診断」の実現に向けた実証実験を始める。試作機の能力アップや費用の削減が現在の主な課題だという。
また、ノーベル賞を受賞した技術で作った分析装置が当時1台しか売れず、その後参入した米メーカーなどに市場を席巻された「失敗」をふまえ、「当時は社内外に『会社に入りたての人間がすごい発明をしたはずがない』という呪縛があった。権威にとらわれず、優れた基礎技術に資金を投入して使えるモノに育てるのが今後の私の使命」と話した。
03年に設立された「田中耕一記念質量分析研究所」の5周年を機に会見した。
田中耕一さんのノーベル賞受賞の技術というのは、たんぱく質を気化させることに成功したという点です。まさしく画期的技術でした。
その応用として、「血1滴で病気を分析するシステム」ですが、まぁなかなか難しいでしょうね。生き物の身体というものは、それだけ多くの代償作用を持っているわけで、どこかがおかしくなると何かが出現するとか、シンプルに定まっているものはなかなか少ないかと。
それでも田中耕一さんなら、夢を現実のものにすることができる、そう信じております。