京都大学医学部付属病院は20日、記者会見を開き、死亡事故を受けて自粛していた肺移植手術を再開すると発表した。「医の倫理委員会」の承認が得られれば、中部地区の6歳の女児に母親の肺を移す生体肺移植手術を6月にも実施する。脳死肺移植の再開は未定という。
同病院は、手術について詳細なマニュアルを作成。呼吸器外科や心臓血管外科、麻酔科などそれぞれの責任を明確にした上、手術前に詳細な打ち合わせをしていく方針を確認している。
06年に起きた脳死肺移植のミスによる死亡事故を巡っては、第三者委員会などが心臓血管外科について「チーム医療ができていなかった。病院の体質も問われるべきだ」とする報告書をまとめている。
現在の大学病院のメリットといえば、どの科に入院していても、他の科の医師と共に協力して医療を行えるという点が大きいでしょう。例えば胃の腫瘍があったとして、その人が糖尿病をもっており、更に手術に対するストレスで不安定な状態にあったとします。そういうときには代謝内分泌内科や精神科の医師に依頼することで、その患者さんを多角的に診ることが出来ます。
それだけでなくても、同じ科の中で、多くの医師によって診断や治療法の適正などを確認するのも、大きなメリットです。医師一人で全てをやってしまうのではなく、患者さんのために安全性、確実性を重視して、最良の医療を行おうとしています。
しかし残念なことに、以前の京大では「連携不足」で何人かの患者さんの命が失われていました。あってはならないことだと思います。その轍を踏まえた上で、生体肺移植を行ってもらいたい。
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