さまざまな臓器や組織に変化する新型万能細胞(iPS細胞)の研究成果を、再生医療や創薬などに生かすため、京都大は16日、大和証券グループ本社や三井住友銀行など金融機関3社から最大約12億円の出資を受けて、関連特許などの知的財産の管理・活用を行う会社を来月設立すると発表した。
今後、iPS細胞研究を行う国内の大学や研究機関にも参加を呼びかけ、関連の知財を一括管理し、オールジャパン体制を目指す。大学が中心になって、特定の研究分野の成果を基にした知財を束ねて管理・運営する会社を設立するのは、国内では初めて。
大学での研究で確保した、特許などの知財は、大学ごとに学内で管理し、企業への使用の許諾を判断するのが一般的だ。しかし、京大では「民間組織の方が、研究成果を迅速に産業界に技術移転できる」(松本紘副学長)として、金融機関3社からの申し出を受けて、学外にiPS細胞研究の知財を一括管理する管理会社を設立することにした。
具体的には、新会社は当面、創薬や再生医療への応用を計画している企業から申し出があった場合に、京大に代わって、知財の使用許諾の判断や使用料の受け取りなどの業務を行う。
今後、他の企業にも出資を募るほか、製薬業界などから知財に詳しい人材の派遣なども求めていく。
また、国内で各大学・機関がバラバラにiPS細胞の知財を管理していると、産業界への技術移転が進まないため、京大では、共同研究している慶応大や東京大などと、新会社での知財の一括管理について協議する方針という。
京大は今月2日、新会社の運営方針を決める上部組織「iPSホールディングス」を発足させている。
ん、これは必要ですね。
何しろ、iPS細胞の発見というのは、医学界のほぼ全ての科の難病疾患が治るかもしれないほどのインパクトを兼ねていますから。精神科ぐらいでは。(精神科も、セロトニン分泌細胞をiPS細胞で作るとかそういう具合に、治療法に繋がるかもしれないけれど)
それを大学1つで管理しろといっても無茶な話です。大学は研究するところ、それ以外は別の会社にやってもらったほうが手っ取り早い。ならば会社作ってしまおう、とそういう話ですね。今後こういった形の会社は増えると思いますよ。
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