医療の安全確保と質の向上を目的に、病院や関係団体が共同で対策に取り組む全国キャンペーン「いのちをまもるパートナーズ」が17日、始まった。
米国で2004〜06年に実施し、事故防止に成果を上げたキャンペーンの日本版で、医療の質・安全学会、日本病院団体協議会、日本医師会など5団体が提案した。2年間で全病院の3分の1に当たる3000病院の参加を見込み、医療行為に伴う何らかの傷害(有害事象)30万件、入院死亡者1万人の低減を目指す。
行動目標として、〈1〉危険薬の誤投与防止〈2〉医療関連感染症の防止〈3〉急変時の迅速対応――など8項目を掲げ、参加する各病院が取り組む目標を選んで実践。定期的に実施状況と入院死亡数、死亡率を報告する。
米国では、有害事象の半分以上が、ミス防止策が整っていれば避けられた事例で、年間4万4000〜9万8000人が本来は死なずに済んだケースだと推定されている。
日本では、厚生労働省研究班が03〜05年度の調査で、入院患者の6・4%に有害事象が起こったと報告している。
参加登録は19日から。詳細は、ホームページ。
近年ではミス防止のために、医療器具なども改良を重ねられています。医療従事者を感染から守るためにも、針1つにしても様々な工夫が施されていますし、患者さんへの誤投与や感染予防などの対策もかなり幅広く行われています。
しかしそれでも、どうしてもおこってしまうものです。日本はアメリカよりは酷くないとは思いますけれど、まだまだ突き詰めれば減らせるところだと思います。そのためにはまず事故の報告をしっかりすること、そして事故を起こした当事者を責めないこと、改善策を考えること、その策を全国の病院で共有すること、これに尽きます。
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