レタスの葉に含まれる葉緑体に、アレルギー反応を抑える薬剤成分をつくらせることに、京都大と奈良先端科学技術大学院大の研究チームが成功し、28日発表した。
植物を工場として利用し、安全で安価に薬品を製造する手法につながる成果。将来は“食べるアレルギー薬”が登場する可能性もありそうだ。
この成分は「チオレドキシン」というタンパク質。炎症反応を抑えてぜんそくやアトピー性皮膚炎の症状を和らげる効果がある。また胃潰瘍治療や老化防止にも効果が期待できるとして、京大が臨床試験を目指している。
チームはタンパク質の貯蔵能力が高い葉緑体の遺伝子を組み換え、効率的にタンパク質を合成するよう工夫したという。
奈良先端大の蘆田弘樹助教は「清潔な工場で栽培できるレタスは、有用物質の生産に向いている。健康食品にも応用できるかもしれない」と話している。
馴染みのある野菜からでも、まだまだ役に立つものは発見されていくのですね。レタスを沢山食べても効く、とは限りませんけれど、この物質を安定した薬剤として利用できれば。アレルギー症状を抑える薬ってなかなか難しいですから、これが実用化すれば1つの光となるかも。
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