卵を週に7個以上摂取すると、あらゆる原因による死亡リスクが増大し、特に糖尿病患者はそのリスクが高いことが、男性のみを対象とした研究で明らかになった。
"米ハーバード大学(ボストン)医学部助教授Luc Djousse博士らは、米国の男性医師を対象とした「医師健康調査(Physician's Health Study)」の参加者2万1,000人強について、卵の摂取量と死亡データを分析。被験者は40〜86歳で、平均20年間にわたり、卵の摂取、脳卒中および心臓発作の発症、糖尿病の状態、コレステロール値、飲酒および喫煙の習慣、全般的な食生活に関する情報を毎年アンケートに記入した。"
その結果、医師の卵摂取は平均週1個と、比較的少なかった。全体では卵の摂取と心臓発作ないし脳卒中リスクとの関連は認められず、週6個までの卵摂取と死亡リスクにも関連はみられなかった。しかし、卵を週7個以上摂取すると死亡リスクが23%増大することが判明。さらに、糖尿病の場合は特に死亡リスクが高いことがわかった。この知見は、米医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」4月号に掲載された。
米国では心疾患が死亡原因の第1位であり、LDLコレステロール値の増大がその主な危険因子とされている。卵にはコレステロールが多く含まれているが、食物コレステロールと血中コレステロールとの関係は複雑である。一方で、卵はミネラル類、葉酸、ビタミンB群、蛋白質および不飽和脂肪など、全般的なリスクを低下させる栄養素の摂取源でもある。糖尿病患者では、何らかの原因により正常な人に比べて食物コレステロールが血中コレステロールに変換されやすいのではないかと研究グループは述べているが、裏付けにはさらに多くのデータが必要だという。
ある専門家は、糖尿病患者は食生活のあらゆる側面を慎重に評価する必要があり、1つの食品を切り離して考えるべきではないとして、バランスよく卵を食事に取り入れる必要があると述べている。また、別の専門家によると、卵はほかの食品と同じで「よい」ものでも「悪い」ものでもないが、コレステロールが気になる人は卵黄を避け、蛋白質、リボフラビン、セレンなどに富んだ卵白だけを摂るのもよいという。卵黄にも優れた栄養素が含まれているが、米国心臓協会(AHA)および米国糖尿病協会(ADA)は、LDLコレステロール値の高い人は卵黄の摂取を週に2個までに抑えるよう勧めている。
単に卵のコレステロールが身体に悪いというニュースではなく、糖尿病の人だとコレステロールが悪い方向に使われやすいということですね。
糖尿病の人が気を使わなきゃいけないのはカロリー、そして栄養群。卵は美味しいのでつい毎日食べたくなってしまいますが、できるだけ体が代謝しやすいように気を使ってやることも必要かなと。
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