横浜市立大学(金沢区)の嶋田紘医学部長(64)による金銭授受問題で、嶋田学部長が率いる医局の医局員が連名で、一連の問題を大学側に内部通報した医局関係者の厳しい責任追及を求める申し入れ書を大学に提出していたことが二十八日、分かった。通報者の保護を定めた同大の規程に反する異例の内容で、医局内部と世間の常識の大きなズレが、またも露呈した。
本紙が入手した資料などによると、申し入れ書は二月十二日付で大学理事長、学長あてに提出された。嶋田学部長が教える大学院医学研究科教室の准教授をはじめ、医局員計十一人が署名している。
申し入れ書は「医局は、経験したことのない危機に直面している」との表現で始まり、博士号取得をめぐる謝礼金の授受問題などを指摘した内部通報について「医局内の出来事を、悪意により歪曲しなければ作れない」と批判している。
さらに、既に数人の医局員が警察から任意の事情聴取を受けたことを明かし、「事情聴取は過酷を極め、時に医師としてのプライドを大きく傷つけるものであり、今後の診療を不能にする可能性がある」と不快感を強調。
内部通報者について「仲間を犯罪者に引きずり降ろそうとする人間と、今後も職場をともにすることに、恐怖感とともに強い嫌悪を抱く」などと、かなり感情的な文言で非難している。
大学側に対しても、「誤った情報を元に警察が捜査を開始した現状を放置することは、医局を混乱に陥れる者に加担することと同じであり、大学の自治と自浄能力を否定することにつながる」と批判。その上で「事件の発端となった人間の厳しい責任の追及をお願いしたい」と、通報者の糾弾を要請している。
しかし、同大コンプライアンス(法令順守)推進規程は、内部通報者について「いかなる不利益な取り扱いも被ることがないよう、必要な措置を講じる」ことを定めている。
医局員の一人は文書を提出したことを認め「通報者の責任追及の部分は反省している。通報内容が事実と異なる部分が多く、若い医局員を守るために、事実を明らかにしてほしいという趣旨で作成した」と話している。
一方、同大総務・財務課は、申し入れ書について「通報者制度の趣旨にそぐわない内容で、取り上げるに値せず、特に対応はしなかった。コンプライアンス制度に対する理解が、浸透していなかった面があったのかもしれない」としている。
アホっすな。内部通告者を守れるような体制じゃないと、内部告発なんて出来ないでしょうに。内部告発者に処分って。
そりゃ確かにどこの大学でも慣例的にこういったことはあったでしょう。しかしそれがイカンというのは誰もが思っていたことであって、「たまたま俺の時に問題になったからムカツク。内部告発者許さん」という態度に出て、感情的な文章を送りつけるあたり、程度が知れてしまいますね。
問題になったからこそ、改善すべきであって、苦情を言うのはお門違い。医局の慣習に従うしかなかった若手を守りたい気持ちは分かりますが。。。
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また自宅のマンションに何度も誘った模様。
教育機関である大学病院でそのような行為があって良いのであろうか?