三重大医学部付属病院(津市)は3日、血液が本来の左心房ではなく、右心房に流れ込む「総肺静脈還流異常症」の生後約1か月の女児(1574グラム)に、肺静脈と左心房をつなぐ手術をし、成功したと発表した。
女児は、肺静脈が複数個所の大静脈につながる「混合型」で、10万人に1人という複雑な疾患。同病院によると、2000グラム以下の乳児で手術に成功したのは国内で初めてという。
女児は2月14日に生まれたが、1800グラムの低体重のうえ、呼吸不全とチアノーゼの症状がみられた。手術は3月10日、人工心肺をつけて血液を体外で循環させ、肺静脈と左心房を縫い合わせる方法で実施。女児の心臓は2〜3センチ大と小さく、血管の直径も3ミリ程度のため、高度な技術が必要だった。
術後の経過は順調で、女児は入院中だが、自力でミルクを飲めるまで回復しているという。
おめでとうございます!
2,3cmの心臓と、直径3mmの血管。考えただけでその繊細さに圧倒されてしまいます。
小児の外科医というのはまさにスペシャリスト。いくら手技のスキルを積んでも、その高度さは雲の上です。それを成功させてしまうとは。この子も順調に育ってくれるといいですね。医師にとっては、それが何よりの報酬でしょう。
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