丈夫な骨の形成に欠かせないビタミンDの不足が、赤ちゃんにかなりの割合で起きていることが京都大の依藤亨講師(小児内分泌代謝病学)の調査でわかった。生活の変化で妊婦や子どもの日光を浴びる量が減った影響と考えられ、母乳だけで育てると不足しやすいことも判明した。
依藤講師は「母乳は免疫強化など長所が多い。D不足を補うために適度な日光浴を」と呼びかけている。
調査は京都市の産婦人科病院で2006年5月から1年間、新生児1120人の頭の骨を調べた。骨の軟らかい子が約2割おり、4〜5月生まれに多い一方、11月生まれは少なかった。ビタミンDは紫外線で活性化されるため、出産前3〜4か月の日照時間の影響と考えられた。1か月検診時の血液検査では、骨の軟らかい子は「くる病」で上昇する酵素の値が高く、うち約3割にくる病の兆候があった。血液中のビタミンDは母乳だけの子の約6割が不足し、粉ミルクや混合栄養の子は全員正常だった。
藤原幾磨・東北大准教授(小児科)の話「乳幼児のビタミンD不足は再び増えている。母乳育児より、母親の栄養状態が関係していると考えるべきだ」
母乳はIgAなどの免疫物質が入っているため、赤ちゃんを細菌などから守ってくれてるんですよね。生まれてから何ヶ月かは風邪を引きにくいのは母乳のおかげとも言われています。
ですが、母乳の中に含まれるビタミンDだけでは少々足りないそうです。「両手と顔だけに1日10−15分、日に当たればビタミンDの合成には十分」らしいので、少し日光を浴びることも必要、ですね。
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