治療困難とされてきた肝硬変を完治させる治療法を、札幌医科大(札幌市)の新津洋司郎教授らの研究グループが開発した。
米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」4月号に掲載される。まだマウスでの実証段階だが、今後、人間への有効性も確認し、治療薬の実用化を目指す。
肝硬変は、ウイルス感染などにより肝臓で増殖した「星形細胞」が多量のコラーゲンを分泌し、肝臓が硬化する病気。肝硬変や、それが進んだ肝がんで亡くなる人は、全国で年間約4万人にのぼる。
新津教授らのグループは、星形細胞がコラーゲンを作るのに必要なたんぱく質「HSP47」に注目し、その働きを抑える物質「SiRNA」で薬を開発。この薬を、通常なら4〜5週間で死ぬ肝硬変のマウスに投与したところ、増殖していた星形細胞も消え、肝硬変が完治したことが確認された。
これ結構凄いですね。肝移植でしか治療法がなかった肝硬変が、劇的に治ってしまう可能性も。
しかも肝硬変って、肝炎ウイルスなどの点からも問題視されているので、非常に有効といいますか、希望を持てるものだと思います。難病といわれていたものが、たんぱく質生成の働きを抑える物質を特定し、その薬を開発するだけで、治ってしまうとは…。
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