2008年03月28日

上司に医療ミスを責められた。

「上司にミス責められた」 労災認定勤務医の遺族会見

 栃木県で2002年6月、男性勤務医=当時(38)=が自殺したのは長時間労働やストレスで発症したうつ病が原因として、鹿沼労働基準監督署(同県鹿沼市)が労災認定したのを受けて父親らが27日、東京都内で記者会見し、「自殺の2年前に(医師が)医療ミスを上司に責められた」ことを明らかにした。

 男性は外科医で、自殺の約3週間前に患者の大腸に穴を開ける医療ミスを起こしていたが、父親らによると、2000年にも別の病院で同様の医療ミスを起こし上司から責められたという。父親は会見で「死ぬ以外にどうしようもない」と書かれた遺書を公開した。

 川人博弁護士は「強度のストレスで労災を認定した意義は大きい。激務が問題となっている外科医の勤務条件の改善が求められる」と話した。



 う〜む・・・

 難しい問題ですが、医療ミスは、医師個人を責めるべきではないという考え方もあります。医師個人を責めてしまうと、まず医師が医療ミスをした場合に、隠蔽に走ることが考えられます。それよりは、早急に病院に報告できる体制を整えるべきであり、何故そういった医療ミスが起こったのか、今後どのようにすればいいのかを病院、ひいては国全体の病院で考え、実行に移さなければなりません。

 勿論、「ありえない医療ミス」や、何度もミスをするようなのは論外ですが…。今回も2度目の医療ミスということですが、1度めのときに、ただ上司にミスを糾弾され、改善策を施していなかったとしたら、その若手医師にとって何も得られないまま終わってしまいますし、そのミスを病院全体で生かせなかったために、2度目のミスが起こってしまったとも考えられるのです。

 医師は、失敗してはいけない。しかし失敗してしまった時に医師を単に責めるだけでなく、次に繋げ、二度とそのようなミスが起きないようにすべきです。それが医療の発展に繋がっていくと思います。

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posted by さじ at 04:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS
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