四日市市芝田の市立四日市病院の医師が06年1月、低血糖症の患者に血糖値を下げるインスリンを投与するよう誤って指示し、認知能力が低下する「高次機能障害」になる医療事故が起きていたことが分かった。患者の家族が25日会見して明らかにした。
患者は市内に住む70歳代の男性。会見した長女(50)によると、男性は糖尿病などで99年から同病院に通院していた。06年1月20日朝、低血糖症で起きあがれない状態になり、家族が救急車を呼んだ。救急室で電話を受けた20歳代の研修医の指示で妻がインスリンを投与。血糖値が急激に下がり、こん睡状態になった。高血糖症と低血糖症の症状は意識がもうろうとするなどの点で似ており、研修医は高血糖症と思い込んだという。その後男性の意識は回復したものの障害が残り、病院がミスを認めて謝罪。07年11月に示談が成立した。
長女は会見で「経験の少ない研修医が救急室にいることや、他の専門医に指示を仰ぐシステムがないことが問題だ」などと訴えた。
一方、病院側はミスを認め「今後は救急搬送される患者を慎重に診察するよう指導する。血糖値に関する研修も行い、再発防止に努める」としている。
まるで医師国家試験の問題のような症例です。。
そして禁忌肢を踏んでしまったというわけです。糖尿病の患者さんですと、高血糖にもなりやすく、また、薬のせいで低血糖にもなりやすいため、注意が必要です。
確かに研修医が、他の専門医や直属の上司に相談できないシステムは、よろしくないかもしれませんね。いくら研修医といえど、うまく経験を積ませる場なわけで、何もかも一人でやらせるのは無謀といえば無謀。
…医師国家試験といえば、明日が発表日ですね。今年は一体どうなることやら。
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