「ありがとう」と伝え合うことで、医療現場の環境を改善する試みに、東京大学医学部付属病院(東京都文京区)が取り組んでいる。院内の売店で独自の「サンキューカード」を発売。様々な職種の人が忙しく働く中で、感謝の言葉が人間関係の潤滑油の役割を果たしているようだ。
同大老年病科教授の大内尉義さんは、サンキューカードを活用している。ハートや青空を描いた明るい絵柄のカードに感謝の言葉を添え、仕事で力を貸してくれた他の職種の人や同僚などに贈っている。
常に万全が求められる病院では、どんなに良い仕事をしても「当たり前」で、感謝したり、褒めたりする機会が少なかったという。大内さんは「感謝を形にして伝えた方が互いの理解が深まって、仕事の励みになる。コミュニケーションが円滑になり、職員が元気になれば、医療サービスの充実につながる」と話す。
同大では、2006年に「接遇向上センター」を設置。大内さんをセンター長に、病を癒やし、治療効果を上げるためには、働く人たちのコミュニケーションが不可欠として、笑顔やあいさつなどのマナーの向上を図っている。
カードは、その一環として、忙しい職場で気持ちを伝え合おうと企画され、昨年11月から院内の売店で販売。デザインは看護師の若月千佳さんらが考えた。実際に、カードなどの効果で職員同士があいさつを交わし合うなど、院内の雰囲気も変わったという。カードは1枚40、50円で、収益の一部は、同病院の植木など環境整備に使われる。
これいいですね。東大病院が始めるとは思っていませんでしたが、なかなか画期的なのでは。(確かに既にありがとうと言う習慣のある病院では必要ないのかもしれませんが)
患者さんにはやさしくするのが常識とはいえ、医療従事者間ではかなり傍若無人なこともまかり通ったりしているのが現状ですからね。しかしそれは患者さんにとってよろしくない結果に繋がることもあるので、できるだけ感謝の気持ちを伝えるべきなのでしょう。
なかなか恥ずかしがって伝えられない人は、このサンキューカードを。
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