熊本市の熊本赤十字病院(東大弼院長、480床)の皮膚科の常勤医師3人が、3月末で全員退職することが分かった。外来診察のため4月から非常勤医師を確保するが、やけどなどの救急、入院患者には対応できなくなる。
同病院によると、3人のうち1人が開業し、2人は熊本大学の医局に戻る。大学から非常勤として医師を派遣してもらうが、皮膚科の外来診察は現在の週5日が2日となる。
熊本赤十字病院は重症の救急患者を受け入れる救急救命センターを設置しているが、今後、火災などによる熱傷患者の受け入れができなくなる。同病院のやけど、虫刺されなどによる皮膚科の救急患者数は06年度は2536人だった。
県医療政策総室によると、重いやけどの救急患者は現実的には、施設面などから救急救命センターでなければ対応できないという。同室は「県内にもう一つある国立病院機構・熊本医療センターの負担が大きくなりそうだ。大きな火災などがあった場合が問題」と話している。
やけどというと命に関わらないようなイメージがあるかもしれませんが、U度、V度の熱傷となるとかなり重症です。皮膚科医はどうしても必要なのですが、その常勤医が全員いなくなると救急としては非常に厳しいでしょうね。
おそらく大学病院のほうでも皮膚科医が不足しているために、呼び戻されてしまったんでしょうけれど…、うーん、こうなるとどこの科もこれから厳しいですね。市中病院1つの救急が機能しなくなるということは他の市中病院への負担が重くなり、1人あたりの疲労はすさまじいものになるでしょう。
医師の収入を増やしても限界があるでしょうし…自治医科大学システムの医科大学をあと1つ2つ増やすほうが得策なのかもしれませんね。
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