様々な細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大学教授らが、筋ジストロフィーなど治療の難しい約10種類の病気に苦しむ日本人患者の細胞からiPS細胞を作製する計画を進めていることが8日明らかになった。
近く学内の倫理委員会に申請し、早ければ4月から、新薬開発などにつなげる研究に取り組む。
これまで、病気の原因を研究するには、すでに病気の状態になった細胞を調べる方法が主流だった。だが、患者の細胞からiPS細胞を作製し、それをさらに病気の細胞に変化させれば、細胞が健康な状態から病気に変化する過程も観察でき、詳しい仕組みも明らかになると期待される。
研究代表者の中畑龍俊・京大教授や、講演先の川崎市で記者会見した山中教授によると、対象の病気は若年性糖尿病や筋ジストロフィー、神経変性疾患、先天性の貧血などで、京大病院で治療を受けている患者に協力を求める。
採取する細胞は、皮膚や血液のリンパ球、胃の粘膜など。健康な人の細胞からもiPS細胞を作製し、病気の細胞と比較する。
山中教授はこれまで、米国人の細胞からiPS細胞を作製。薬によっては、効果や副作用に人種差があり、日本人患者の細胞を使って研究を進める。
細かい内容になると、人種差というのは強く影響してきます。酒に強い弱いも、人種差によって変わってきますしね。
今回のこのニュースは、iPS細胞を何かに分化させるということを利用して、誕生時は正常な細胞を作り出し、それが何故病的に変質してしまうのかを観察しようというもの。今まで「難病」とされている、原因が不明の疾患の数々も、これによって解明されるかもしれません。筋ジストロフィーだけでなく、クローン病などにも効果はあるかも。
山中教授の活躍で、医学全体が一歩進むかもしれません。
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