育毛剤は悩める男性諸氏の心のよりどころだったが、「無細胞真皮」は新たな救世主になるかも…
神戸大と大阪工業大、国立循環器病センターの共同グループが再生医療技術を使い、ハゲた部分に移植するだけで自然に毛が生えてくるという夢の人工頭皮の開発を、2月から始めた。成人男性の約3分の1が悩んでいると言われ、最近は業者の育毛サービスをめぐる損害賠償が話題になるなど、当事者には切実な問題だけに、実用化に熱い視線が注がれている。
開発に乗り出したのは、神戸大学医学部形成外科の寺師浩人准教授と大工大工学部生体医工学科の藤里俊哉教授、循環器病センター研究所先進医工学センターの山岡哲司部長のグループ。
薄毛や抜け毛は、頭皮が正常時より薄くなったり、毛穴が小さくなったりと劣化することが原因とされる。
研究では、手術などで余った他人の頭皮をもとに、正常な毛穴を有する「無細胞真皮」と呼ばれる皮膚を作製。本人の頭の毛のない部分に移植したうえで、本人の毛髪から採取した「毛包」「毛乳頭」という毛のもとになる細胞を培養して植え付ければ、自分の毛髪が自然に生えてくる−という仕組みだ。
これまでにも「毛乳頭」を毛穴に移植する研究は行われてきたが、頭皮の劣化などが再生を困難にしていた。
研究では他人の皮膚を使うため、拒絶反応を起こさないよう細胞を取り除き、毛穴を形作るコラーゲンだけを残す「無細胞真皮」が不可欠。その作製には石鹸に浸して細胞を殺す方法が確立されており、今回は循環器病センターが開発した超高静水圧脱細胞処理法(高水圧をかけて、細胞を除去する)も使う。
「毛包細胞、毛乳頭細胞、無細胞真皮と、毛を生やすために必要な材料は過去の研究からそろっています。ただ、移植する本人に適合した無細胞真皮を作ることが難しい」(寺師准教授)
今回の研究について、寺師准教授は「全く毛のない場合は無理だが、後頭部などに残っていれば細胞の培養は可能。理論的には自分の髪が永久に生える。ただ、やってみないとわからない。あとは。『細胞に聞いてくれ』という気持ちです」と話している。
長きに渡るはげとの闘い
医療の進歩で、近年では自分の後頭部の髪を前のほうに移植する技術が流行っているようですが、この研究では、完全なるハゲでなければ髪を生やすことが可能、ということです。
特筆すべきは、頭皮がだめになった場合でも移植することで培地を確保できるということ。
培地となる無細胞真皮と、自身の毛包、毛乳頭などを組み合わせることによって、まさに髪を生やすには最適な土壌となりうるわけです。。。
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お金もうけにはなるだろうが、微妙ですな。なんでズラじゃだめなの?
さじさんは御髪の薄い方?はげ関連ニュースが充実しているよね。
とても失礼なことを聞いていたら、謝ります。
円形脱毛症で悩む子供など、見た目の問題で死にたいほど苦しんでいる患者にとっては、たとえ髪の問題とはいえ「必要な医療」なのです。日常生活の苦しみを埋めるという点において、形成外科もまた必要なジャンルだと思いますよ。
私は今のところフサフサです。
患者自身には死ぬほどの大きな問題である以上、こういう研究はあってしかるべきです。
今はふさふささんも、何かを失う病気になれば分かるでしょう。ある人には、ないひとの気持ちは分からない。