万引行為を理由に懲戒免職処分となった後に、若年認知症の一つであるピック病の可能性が高いと診断された元茅ケ崎市課長の中村成信さん(58)=寒川町在住=を支える会の結成集会が二十日、横浜駅西口近くのかながわ県民センターで開かれた。自治労県本部の関係者のほか、中村さんの窮状を知って駆け付けた市民ら約七十人が参加。中村さんの処分撤回を実現し、若年認知症への社会的理解を広げるため、積極的に活動することを確認した。
会の発足に当たり、代表役員に就任した市民運動家の山中悦子さんは「中村さんの尊厳を守り、多くの人に若年認知症の実態を伝えましょう」と訴えた。また、参加者全員で、「市側の拙速な懲戒免職処分の決定に強く抗議する」とのアピールを採択した。
集会には中村さん自身も出席し、「事件で職も名誉も失った。私と家族の苦しみを二度とほかの人に味わってほしくない」と強調。会の発足については「これほど心強いことはない」と話した。
懲戒免職処分が妥当だったかどうかを判断する市公平委員会の審理は四月から、証人への意見聴取が始まる見通し。
病気がもとで、社会的に葬られてしまうのはさすがによくありませんね。
といってもピック病自体があまり浸透していないので、まさか万引き行為が病気によって引き起こされるものだとは一般の人にはわかりにくいというのもあります。
認知症によって起こる問題ってのは、結構あります。例えば自分でどこかに置いたことを忘れて、そのモノが誰かに奪われたと思い込む「物取られ妄想」もその1つでしょう。記憶の障害が、盗難という犯罪行為に置き換わった瞬間です。
万引きは許されない行為ですが、それは意図的に物を盗んだときのみ、許されないのであって、病気でやってしまった人に懲戒免職は、いかがなものかなぁ。
関連:貴方の家族は、Pick病のせいで万引きしたのかもしれません。