花粉症の治療に漢方薬を使うこともあります。
中でも、麻黄附子細辛湯や小青竜湯は、鼻水に即効性のある処方として、比較的よく用いられます。麻黄附子細辛湯の構成生薬は、麻黄、細辛、そしてトリカブトの地下部を加熱処理などによって弱毒化した附子です。小青竜湯には、麻黄、細辛のほか、半夏(サトイモ科カラスビシャクの塊茎)、芍薬(シャクヤクの根)、乾姜(湯通し、または蒸して乾燥させたショウガ)、桂皮(シナモン)、甘草、五味子(チョウセンゴミシの果実)が加わります。
どちらの処方にも配合されている麻黄の主成分は、エフェドリン。交感神経を興奮させる作用が強いので、少し気をつけてください。
漢方薬は自然のものを材料にしているので合成薬よりも効き目が穏やか、というイメージがありますが、必ずしもそうとも限りません。
エフェドリンは、スポーツ競技などでのドーピング禁止物質です。麻黄には1%程度のエフェドリンが含まれています。競技会などに出場する可能性のある場合には、事前に医師や薬剤師と十分に相談してください。
漢方医学では、西洋医学とは異なる観点から、症状とその人の体質を総合的に判断して適切な処方を選びます。また、最近は漢方薬と新薬を症状に応じて使い分ける医師も増えています。漢方薬の多くが保険採用されていますので、漢方に詳しい医師に相談して自分にあった処方を見つけてもらうのもよいでしょう。
花粉症にも効く漢方薬。むしろ西洋医学よりも漢方のほうが効くかもしれません。もちろん、自分に合った漢方薬を、漢方医などとの相談の下でみつけることが必要ですが。
漢方薬の概念や、小青竜湯を含む各種漢方薬の効果については、漢方薬と漢方医学についての知識を身につけようを参考にしてみて下さい。漢方薬は適切に使えばかなりの効果が期待できるものです。
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