やせている高齢者は、普通の体形の人より糖尿病になるリスクが高いことが、独協医科大の西連地利己助教(公衆衛生学)らの大規模調査でわかった。肥満が糖尿病を招きやすいことは知られているが、「やせ」との関連が浮かんだ研究は珍しい。
調査は茨城県の委託で、93年に同県内で住民健診を受けた当時40〜79歳の男女のうち、糖尿病ではなかった約12万7000人に協力してもらい、04年まで健康状態を追った。糖尿病になったのは8400人余だった。
肥満に当たるBMI25〜29.9では、男性で18%、女性で31%、普通体重の人たちより高かった。やせた人と太った人で、どちらがより危険かははっきりしないという。
一般に、日本では欧米と比べてやせた糖尿病患者が多く、こうした人は糖を細胞に取り込むインスリンをつくる能力が欧米人より低いと考えられている。
西連地さんは「やせた人は太ればリスクが減るわけではありません。運動や食事に注意するとともに、年に1回程度は健診を受けるようにして」と助言している。
糖を細胞内に取り込む際の異常が糖尿病ですから、太るだけでなく「やせる」ことも症状の1つではあります。やせているからといって糖尿病というわけではありません。
高齢者は代謝能力全般が低下していますから、運動や食事などの面でサポートすることがどうしても必要になってきます。介護保険などで色々と情報は得られると思うので、それを参考にして、自己管理を進めて下さい。
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