2008年02月17日

うつ状態の研修医は6.2倍の投薬ミスをする。

若手研修医のうつ状態が投薬ミスにつながる

 うつ状態の研修医(medical resident)は投薬ミスをする比率が大幅に高いことが、英アバディーンAberdeen大学(スコットランド)の研究グループにより示され、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に2月7日号掲載された。

 今回の研究は、米国の小児病院3カ所での小児科研修医123人を対象に実施されたもので、研修医の20%がうつ状態、74%が燃え尽き(burnout)状態であることが判明した。研究期間中、研修医全体で45件の投薬ミスが発生しており、うつ状態の研修医は、そうでない研修医よりも6.2倍の投薬ミスをしていた。投薬ミスの比率と燃え尽き状態との間には、関連はみられなかったという。

 この知見から、患者の安全のためには、これまで考えられていた以上に医師の精神面での健康(メンタルヘルス)が重要であることが示されると研究著者らは述べている。さらに、研修医に高い比率で燃え尽き状態が認められたことから、研修の方法がストレスを生み、研修医の健康を害していることも示された。ただし、今回のデータは、米国で研修医の勤務時間制限が施行される前に収集したものであるという。

 米国では年間9万8,000人もの患者が投薬ミスによって死亡しており、ミスが発生する理由として、睡眠や余暇の不足などによる研修医のストレスがよく挙げられている。投薬ミスと医師のうつ状態および燃え尽き状態を結びつけるのは、理にかなっていると思われるが、今回の結果は決定的なものではないと研究グループは述べており、投薬ミスを引き起こす要因を突き止めるには、大規模な前向き(プロスペクティブ)試験が必要としている。



 日本は、投薬に関する危機管理の概念は発達してきていると思いますが、欧米のように「ミスを次に繋げる」という考え方が実行されはじめたのはここ数年のことだと思います。

 日本では根性論が愛されており、しかもミスには強烈に糾弾するという姿勢も好まれてきました。JAXAがH2Aロケットの打ち上げに失敗しようものなら、何億も無駄にしたと強烈なバッシング。何故打ち上げに失敗したかを究明することこそ、打ち上げ失敗後に行うべきことで、国民に「すみませんでした」と謝ることではありません。そもそも国民に謝ること事態がわけのわからないことですからね。

 ここらへん難しいところですが。ミスを認めることがまず先決で、そのためにはミスを過度にバッシングしないことも必要です。人は改善することができる生物です。研修医がミスをしやすい環境をまず整備すること、そして、ミスをしてもその対策を講じ、次に繋げることが強く求められます。

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posted by さじ at 19:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学
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