福岡大医学部が引き揚げへ、後任見通し立たず
玉名市玉東町病院組合が運営する同市の公立玉名中央病院(木山程荘院長、302床)で常勤麻酔医2人が3月末で退職し、新年度から麻酔科が不在になることが15日、分かった。医師を派遣する福岡大医学部(福岡市)が昨年末、引き揚げを通知してきたためで、麻酔医が必要な手術ができなくなる可能性が出てきた。
同病院では2006年度、全身麻酔など麻酔医が必要な大がかりな手術を823件実施。交通事故などによる夜間の緊急手術も月に1、2件行っている。当面の打開策として、昼間の非常勤医を探しているが、見通しは立っていない。麻酔科が不在になれば、熊本市、荒尾市、大牟田市の病院に20〜40分かけて転送しなければならなくなる。
同病院は県北の拠点病院の一つで、1981年に県から救急車を受け入れる医療機関に指定され、12科に常勤医32人が勤める。常勤医は全員、県内外の大学病院からの派遣といい、外科医3人のうち1人も派遣元の熊本大の意向で新年度からいなくなるという。
うーむ。
消化器外科、心臓外科、腎泌尿器外科、形成外科、脳外科、整形外科、そして救命救急。えーとあと何があったかな。
まぁこれだけ多くの外科がありながら、まず手術の時にいなければいけないのが「麻酔科」です。
麻酔科は、唯一、人の「意識」をコントロールする診療科でもあります。全身麻酔を行う場合には手術中のコントロールのためにいなければならない存在です。当然麻酔科医1人にかかる負担も相当ですが。
サポートのスペシャリスト的な存在なので、やりがいがあるのかどうか分からず、なり手が不足しているのも現状でしょう。手術のスペシャリストなだけに、麻酔科医不足について考えることも必要です。
しかし…親玉である大学病院から医師が派遣されなくなったら、地元の大きな病院はどうすればいいんでしょうね。大学病院も人手不足ゆえに仕方のないことではありますが…。(昔ならばお金のやり取りとか色々あって結構黒かったんですけれどね)
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