介護ベッド用の手すりのすき間に首や手などを挟まれる事故が昨年5月以降、全国で5件発生、3人が死亡していたことが経済産業省の調べでわかった。
製品の欠陥の有無は不明だが、同省と業界団体は事態を重くみて、メーカー各社に手すり部分などへの警告表示の徹底を指導し、使用者への注意喚起を始めた。
同省によると、死亡事故は昨年5月〜今年1月に兵庫、愛知、香川県で発生。40〜80歳代の高齢者や身体障害者の男女がベッド脇の手すりの間に首を挟まれ亡くなった。転倒時や身を乗り出した際、首がすき間に挟まったとみられている。
東京都では昨年11月、立ち上がる際につかまった手すりが動いて女性が転倒、あばら骨を折った。この手すりを製造した「パラマウントベッド」(東京)は、手すりを固定する部品の摩耗が原因として、2001〜07年に販売した同型の手すり約37万台について、新しい部品と無償交換するリコールを同省に届け出た。
同省製品安全課では「要介護者はいったん姿勢を崩すと、元に戻れず、重大事故に至るケースが多い。自力で動けない場合は、すき間をクッションや毛布などでふさいで使用してほしい」と呼びかけている。
介護用の商品は、人間工学等に基づいて設計されており、障害のある人でも安心して使えるものでなければなりません。
健常者が作るとしても、「ここはこういう障害のある人向けにこうしたほうがいいんじゃないか」と、頭の中で考えたり、実際に使ってみて不具合がないか確かめるのでしょう。
要するに「配慮」の世界。
今回は、たまたま、手すりの隙間が大きくて死傷事故がおきてしまいましたが、今後、そういうことのないよう、改善していってほしいと思います。
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