突然耳が聞こえにくくなる突発性難聴に対し、聴覚細胞を再生する世界初の治療を、京都大病院耳鼻咽喉科の伊藤壽一教授らのグループが始めた。従来のステロイドの大量投与に代わる、安全で効果が高い治療法として期待される。
突発性難聴のはっきりとした原因はわかっていない。歌手の浜崎あゆみさんが今年1月、突発性難聴で左耳が聞こえなくなったことを告白した。
治療は、聴覚細胞が集まる内耳の蝸牛の膜に、細胞の成長にかかわるたんぱく質「IGF―1」を含ませたゼリー状のゲルを塗る。約2週間かけて吸収され、傷ついた聴覚細胞の死滅を防ぎ、再生させる。発症後1か月未満で、ステロイド治療で効果が出ていない20人程度に実施する予定。
厚生労働省の2001年の調査では、突発性難聴の推定患者は約3万5000人。国の特定疾患(難病)に指定され、完治は全体の3分の1程度とされる。従来、ステロイドの大量投与による治療が行われているが、副作用に苦しむケースが多い。
これは2年前のこのニュースです。
医学処:突発性難聴にメカセルミンを加えたゼラチン療法が効く
いよいよ「治療」として確立すべく、臨床で治験として行うようです。
難病指定されている疾患の治療法が「確立」されれば、人類における医療の貢献はそれはもう凄まじいものです。京大の伊藤壽一教授、Good Jobです。
耳が聴こえないって、なかなか不自由極まりないことですからね。もう10年以上前になると思いますけれど、視力と聴力、残すならどちらかという問いで、聴力と答える人が多いアンケートを見たことがあります。視力は失っても聴力があれば生活していけるという理由だった気が…。それほど大量の情報を、耳から得ているわけですね。
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