大阪、兵庫両府県の大学病院など26病院の臨床研修医計98人が、医師法に反して別の病院でアルバイト診療をしていたことが、厚生労働省近畿厚生局が行った全国初の実態調査でわかった。国は昨年、研修医の受け入れ病院に対してアルバイト禁止の徹底を文書で指導したが、これほど多数の違法行為が明らかになったのは初めて。同厚生局は、研修医の管理が不十分だったとして、補助金の返還など各病院の処分を検討している。
同厚生局によると、大阪大付属病院や大阪市立大付属病院など大阪府内の23病院で86人、神戸大付属病院など兵庫県内の3病院で12人。阪大病院は10人で、1人で50回アルバイトしていたケースもあった。昨年4月に違法アルバイトが明らかになった兵庫医大病院でも新たに1人見つかった。
2004年度から医師法に基づいて導入された臨床研修制度では、医師免許取得後に病院などで2年間の研修を義務づけ、研修医は指導医の管理下でなければ診療できない。今回アルバイトが判明した研修医らは民間病院などで夜間の当直や休日の日直に就き、1人で診療していた者もいた。病院に対し、「先輩に頼まれた」「小遣い稼ぎだった」などと説明したという。
昨春以降、保健所の立ち入り調査で、兵庫医大病院以外でもアルバイトが確認され、同厚生局が昨年12月、近畿を対象に調査を始めた。同厚生局は今後、各病院に自主公表を求めるとともに、悪質なケースは補助金返還も求める方針。
読売新聞の取材に対し、阪大病院は「内部で調査中」とし、兵庫医大は「アルバイト禁止の周知徹底を図ったが、研修医の認識が低かった。さらに指導を強化する」としている。
先輩後輩関係で「バレやしないから大丈夫」と思ったんでしょうけれど、何のためにアルバイト禁止にして研修医の給料を上げたんだか分かりませんね。
まぁ、給料を上げたといっても、研修医の給料は薄給も薄給、そこらでバイトしている高校生の時給より安いんですけどね。使う暇すらないからトントンというところでしょうか。
理想を言うなら、労働時間に見合った適切な給料を支払う、これに尽きます。病院全体が赤字だらけなので無理でしょうけどねぇ。
でも法律って微妙ですよね。医師法違反だからバイトは禁止だと言っている反面、じゃあ労働基準法守ってるのかよと言うと守っていないわけです。しかも国全体で暗黙の了解のように法律違反を見過ごしているじゃないですか。オカシイですよね。勿論、医師が労働基準法を厳守していたら全ての病院が機能しなくなるほど、医師が不足しているわけですが。
参考:医師と労働基準法
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