2008年02月09日

岐阜大学医学部が国公立大学受験の倍率1位を獲得。

意外な大学が倍率一位。ゆとり世代は敢えて東大行かぬ

 6日、文部科学省は、全国の国公立大学2次試験の出願状況を発表したが、少々意外な大学が2年連続で倍率全国1位となった。

 少々受験をかじった者であれば、倍率だけなら東大や京大は大したことはないのはご存知のはず。長らく倍率1位の指定席は東京芸大だったが、今回倍率1位となったのは岐阜大学医学部で、募集人員55人に対し2373人の志願者を集め(後期日程)、倍率は実に43.1倍となった(2月6日現在)。

 岐阜大学が、昨年度より医学部の後期日程の募集人数を増やしたこと、さらにセンター試験での足切りが無いことなどが人気の理由だというが、この驚きの高倍率も、ある高校教師に言わせれば「昨今の典型的な受験傾向」ということになるらしい。

 この教師は、都内屈指の進学校に勤めているが、「この年代の生徒は、長く続いた就職難のイメージから、大学受験の際にすでに就職のことを考えている」と語る。それゆえ優秀な生徒は就職に強い理系に集まり、中でも医学部は大人気で「東大に入る力のある生徒でも、地方の国立大の医学部を目指す者が何人もいる」(同)らしい。

 この教師は「最近の生徒は、たかだか10年前と比べても、良くも悪くもとにかく現実的」と語るが、今年度の受験生は、中高6年間を「ゆとり教育」の中で過ごした初めての学年。ことあるごとに「ゆとり世代」と揶揄される彼らだが、現実的な選択は、果たして吉と出るのだろうか?



 医学部受験のときには、センター試験の点数による足切り、一次試験での点数配分(得意分野不得意分野、センターとの比率など)、募集人数などを考慮して、受験生が殺到します。センターに失敗した人はセンターの比率がとても少ないところ、または一次試験で逆転可能なところを選んだりしますね。

 医学部人気ということですけれど、現実的な路線でいくなら法学部に行ったほうがカタいと思います。収入や休暇の面でも医学部より優遇されているのでは?

 医学部の最大の欠点は、「医学に興味がないと地獄のような勉強を強いられる」ということです。受験など比ではないほどの膨大な知識を獲得しなければなりません。旧帝大系の医学部に入るのは至難の技といわれていますが、実際バッタバッタと留年する人がいるわけです。有名私立高校に通っている人でも成績が悪く留年するなどザラですからね。

 頭がいい人ならば本当にこのまま進んでいいのだろうかと悩み、自分と葛藤し、それでも医学を志して人を助けたい、と思う人もいます。そういう人はいいんですけど、受験の段階で、現実的だからという理由で医学部を選ぶのはチョットという感じがします。六年間も興味のないことをやっても仕方ないでしょうし。実際どこの医学部に行っても得られる知識は変わりませんし、卒後のスキルにも差はありません。ただやる気があるかないかの違いだけです。たとえ東大に行ってもダメな人は本当にダメですね。

 しかし・・・芸大よりも倍率が高いとは、凄い話ですね。気象大学校と同じくらい入りにくいと言われているぐらいですが…。やはり募集人数増が効いたんでしょうねぇ。

 医学部受験者の中で、医学に興味がある人、医学を学びたいと思っている人に桜が咲くことを、祈っております。頑張って下さい。

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posted by さじ at 03:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学
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