文部科学省の生命倫理・安全部会(部会長・笹月健彦国立国際医療センター総長)は1日、多様な組織に成長できる万能性がある、京都大が開発した「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)から、精子や卵子など生殖細胞をつくる研究を、当面禁止することで合意した。
近く、大学などの関係機関に通知する。生殖細胞ができる可能性がある、他の体性幹細胞からの作製も禁止対象とした。
受精卵を材料にする胚性幹細胞(ES細胞)から生殖細胞をつくる研究は、同省の指針で既に禁止されているため、同様に取り扱うのが妥当と判断した。
ただし、こうした万能細胞からの生殖細胞づくりは「不妊症の研究に役立つ」との意見もあり、同部会の専門委員会が、指針を見直すべきかどうかを検討しているため、禁止期間は専門委の結論が出るまでの間とした。
同部会はまた、再生医療研究のため、生殖補助医療で不要になったり、病気で摘出した卵巣から採取したりした卵子を基に、クローン胚をつくることを認めるなどとした作業部会報告書を承認した。
まぁ、妥当なところでしょうね。医学の進歩のためには、そりゃ許可したほうがいいんでしょうし、許可されればそれだけ大勢の人が助かる可能性も秘めているわけですが、倫理的な問題が先行するのはいたしかたないことです。
こういったことをきっかけに、人間の倫理性が進歩してくれれば、とも思うのですが。