昨年10月に全国保険医団体連合会主催で開かれた集会で、歯科医師の5人に1人が年収300万円以下であると報告した。その理由として00年以降相次ぐ診療報酬のマイナス改定と73項目にわたる保険点数が20年間も据え置かれていることが挙げられている。
歯科医を目指す人々にとっては何とも将来を憂いたくなるような状況だが、ある歯科医は「2世3世の歯科医でなければ開業しても借金を抱えるのがオチ」とさらに追い打ちをかける発言をする。
「設備投資がとんでもなくかかるんですよ。例えば治療する際に座る椅子。あれは1台数千万もするもので、それを揃えるだけで億単位で金がかかります。そこまでして設備を整えても報酬は雀の涙で借金を完済することはおぼつかない。
おまけに新しく医院を開いても、すでに歯科医院なんてどの街にもあるものだから新規の患者はやってこない。低い医療報酬、莫大な借金、来ない客、働いても働いても八方ふさがりですね。私も父親が歯科医院をやっていなければ別の仕事をせざるを得ないところでした。まぁ、借金がないというだけで生活は特に楽という訳でもないのですが……」。
このような状況が続くようであれば、現在社会問題となっている医療崩壊に歯科医も数え上げられる日も遠くなさそうだ。
元々医師よりも、歯科医の夜逃げなどは以前から問題になっていましたが、事態は深刻なようです。混合診療を認められるようになった歯科医と、医師会の力が強く混合診療を認めず全て保険適用にした医師と、ン十年経って大きな差が出てきました。
とはいっても5人のうち4人は、相当なお金を儲けていると思われます。審美歯科ですとか、インプラントですとか、バイオプレートですとか、新しい歯科医療を用いて都会で開業している人や無痛治療を得意とする人なんかは、年何千万稼いでいるか分かりません。
開業なんてのは運の要素も強いです。たとえ腕が良くて、やっていることが画期的であっても、宣伝方法を誤るとか、ちょっとした立地条件の問題とかで沈んでしまうこともあります。世襲制がどうのこうのというより、腕の良い歯科医、それも良心的な歯科医が生き残ってくれたほうが一般人としては嬉しいんですけれどね。
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医学処:電動歯ブラシの快適性は異常。もう手動には戻れない。
医学処:歯科医向け画像撮影装置で、痛みを引き起こす神経の様子も分かる。
しばらくしたら消えていました。
先日TVで司法試験に合格して弁護士志望の青年が就職先がなく
開業したが仕事がなく・・・というレポがありました。
日本は専門職業家に対して極めて冷たい?社会だと思いますが
ますます安全パイ狙いで公務員や大企業サラリーマン志向が強まり
(結婚相手でも)面白くない?国になりそうですなぁw