舛添厚生労働相は24日、産科医不足対策の一環として、出産時の医療事故で脳性まひとなった障害児を対象とした「無過失補償制度」の対象を、妊産婦の死亡事故などに拡大することを検討する考えを表明した。
同補償制度は来年度中にも始まる予定で、医療機関などが負担する保険料をもとに、脳性まひの障害児が20歳になるまで、介護費用などの名目で民間保険会社が分割払いで計3000万円近くを支払う内容だ。
脳性まひの事故は、医師の過失とは関係なく一定割合で発生するため、医師の過失がなくても補償する制度を作ることで、産科医が訴えられる「訴訟リスク」を軽減する狙いがある。
なら国がその費用を負担すべきでは?
出産という行為はそもそも、多大なるリスクを負うものなのです。出産の段階で母体や胎児に障害が起こることなど、それはもう自然の摂理としか言いようがありません。
医療が発展したために、そのリスクを減らすことができました。しかしそれによって逆に、出産は両方とも正常で当たり前であるという風潮が生まれたため、医療ミスではないかと訴訟に繋がるケースが増えてきました。
医師を守るために無過失補償制度を設けることは問題ないとは思いますが、それを医療機関が負担するという点は理解できません。単に医療従事者が、仕方のない死に対して罪を認め、痛み分けをしているに過ぎないのではないでしょうか。
医師という存在は患者のために尽くさなければなりませんが、そこまで理不尽な要求に応えなければならないものではないと思います。
外添が無過失補償制度によって産婦人科医を守りたいなら、1件あたり3000万円の補償を、国の税金によって行うべきです。おそらく無過失補償制度の費用の根本は、分娩を行うにあたっての保険料を引き上げるとかで賄うんでしょうけれど、妊婦の死に対しても補償するとなるとどれだけ値上がりするんでしょうか。社会福祉の1部と位置づけて運用するのが一番いいと思うのですが。
だからといって無過失補償制度に反対しているわけではありません。医師を守るためにはどうしても必要な制度です。産婦人科医の現状と、裁判について見事に書ききった小説「ノーフォールト
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医学処:医師の過失がなくても脳性麻痺となった場合には補償します
医学処:無過失補償制度を患者のための制度と位置づけるように求める