美容整形にも使われるボツリヌス菌毒素の注射による副作用で、9年間に16人が死亡したと、米消費者団体「パブリック・シチズン」が24日、発表した。
ボツリヌス毒は、神経を一時的にまひさせ、筋肉を弛緩させる。筋肉が異常に緊張する病気などの治療のほか、眉間のしわを取る美容整形にも使われる。
同団体は、製薬会社から米食品医薬品局(FDA)への自発的な副作用報告を分析。まひの影響で飲食物が誤って気管へ入り、肺炎を起こすといった例が、1997年11月〜2006年12月に米国内で180件あり、16人が死亡していた。死者のうち4人は少年だった。副作用は病気治療で多いが、しわ取りでも少なくとも1人が死んでいた。
ボツリヌス毒素は人類にとっては猛毒ですが、少量で使えば神経を麻痺させることで大きな恩恵を得られます。神経の終末に働いて筋弛緩を起こすことを利用して、眼瞼けいれんや痙性斜頚などの、勝手に筋肉が収縮してしまう病気に有用であると考えられ、神経内科領域で用いられます。美容形成ではボトックス療法として知られていると思われます。
副作用としては、神経ブロックによる気息性嗄声と誤嚥(2週間以内に消失)がありますが、この「誤嚥」によって肺炎や窒息が起こってしまったというのが今回のニュース。日本では、ボツリヌス療法を行うにあたっては規定の実技講習セミナーを受けなければならず、その講習をクリアーした医師が用いれば問題はないと思うのですが・・・
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