妊婦がコーヒーやお茶に含まれるカフェインを多く摂取すると、流産の危険が大幅に高まることが21日、米最大の健康医療団体「カイザー・パーマネント」の研究チームの調査で分かった。
研究チームは「新陳代謝機能が完全でない胎児にとって、胎盤を通じて入り込むカフェインの代謝は困難であり、胎児の成長が阻害される可能性がある」としている。研究論文は米産婦人科ジャーナル(電子版)に掲載された。
研究チームは1996年から98年にわたって、カリフォルニア州の1063人の妊婦を対象に飲み物の種類などを詳細に調査した。その結果、1日にカフェイン200ミリグラム(2杯程度のコーヒーに相当)を摂取した妊婦が流産を起こすリスクはカフェインを全く取らない妊婦の2倍に達することが判明。200ミリグラム以下の摂取量でも、流産のリスクは1.4倍になっていた。
2倍は怖いですね。
母体からは胎盤を介して胎児に栄養を送っていますが、そのときに問題となるのが「胎盤通過性」という概念です。
一般的に、分子量500以下、非イオン型、脂溶性の薬物は、胎盤通過性が良いと言われています。つまり母体に薬を投与して、胎児に移行しやすいということです。また、どんな薬でも沢山投与すれば胎盤は通過します。
また、胎児の発育時期によっても、使っていい薬、ダメな薬が分かれます。例えば妊娠初期に危険性が高いと考えられている薬の代表としては、ストレプトマイシンの第八脳神経障害、小肢症。性ホルモンのVACTERL症候群、テトラサイクリンの歯牙着色異常、ワーファリンの顔面奇形などがあります。
流産は、胎児の器官形成期でもある妊娠2〜8週、更に口蓋形成・生殖器形成の18週あたりまでの、薬を慎重に使わなければならない期間に起こります。カフェインもおそらくこのあたりで、胎盤を介して胎児に作用すると思われます。まぁ他の薬のように顕著に奇形が報告されているわけではありませんが、慎重になりたい人はあまり飲まないほうがいいかもしれません。
まぁ子供より自分優先という人は、胎児によくないと知りつつも摂取します。本人のことなのでどうこう言えるわけじゃないんですが、大人にとってたまらない嗜好品であっても、それを子供に強要するのは間違いだと思いますので、そこらへんの良識ある判断をこれから親になる人はもってもらいたいと思いますね。
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