死んだラットの心臓を薬剤処理して型枠とし、内部に誕生直後のラットの子の心臓から採取した細胞を注入して実験器具内で培養したところ、拍動して機能したと、米ミネソタ大の研究チームが14日、米医学誌ネイチャー・メディシンの電子版に発表した。
当面はこの実験成果をラットの体内で実現することが課題となるが、将来、心臓移植手術が必要な患者を対象として、死亡者の心臓に患者自身の幹細胞を注入して再生し、移植できれば、ドナー(提供者)不足問題をある程度解決できる可能性がある。この技術を腎臓や肝臓、肺に応用する研究も進めているという。
日本の国立循環器病センターと産業技術総合研究所は2004年7月、拡張型心筋症の患者の骨髄から多様な細胞への分化能力がある「間葉系幹細胞」を採取・培養して同じ患者の心臓に移植し、心筋と血管を同時に再生させることに成功したと発表している。
心臓を移植するためには、拍動してること、すなわち脳死状態でないと厳しいですからね。もし死んで停止した心臓を再度賦活化することができれば、心臓移植もうまく増えるかもしれません。
この方法ですと、日本でも心臓移植ケースが増える、かも。脳死を死と受け入れられない日本では、よりいっそう期待したいところです。
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