インドネシア原産のイネ科植物「ベチバー」の根に、ゴキブリやダニなどの害虫を寄せ付けない効果があることを、九州大農学研究院(福岡市)や福岡県久留米市の第3セクター「久留米リサーチ・パーク」、同市の企業「アカル」(高木茂社長)が共同研究で確認した。ゴキブリが寄り付かない忌避率は100%といい、同社は「天然素材で人体に無害の害虫防除ができる」と商品化を進めている。
高木社長は当初、ベチバーの根の高い消臭効果に着目し、2005年から九大や同パークの協力を得て研究開発に取り組んだ。活性炭並みの消臭力があり、中でもアンモニア臭に対しては活性炭の1・3〜1・5倍の消臭効果があることが判明した。
同社は昨年10月、根を袋詰めした室内や自動車用の消臭剤を発売。これまでに全国で計約2万個を売り上げるヒット商品となった。
同社などはさらに、根がインドネシアなどでは虫よけとして使われていることから、防虫効果についても検証した。ゴキブリ20匹を箱の中に入れ、根がある時とない時の状態を比べたところ、3回の実験でいずれも、ゴキブリが根にまったく近寄らないことがわかった。ダニについての実験でも、平均で忌避率66・3%の防虫効果を確認した。
害虫がベチバーの根を避けるメカニズムは今後、九大農学研究院森林圏環境資源科学講座の清水邦義助教(35)が中心となって解明する。清水助教は「一般の害虫駆除剤は、人間が薬品を吸収する可能性がある。根は人体に無害のため、様々な用途が期待できる画期的な素材だ」と話している。
何がヒットするか分からない世の中ですが、これは目の付け所がシャープな商品ですね。やっぱり「情報」だなぁと感慨深く思う次第です。インドネシアで虫除けのために使われていることなんて、現地にでも行かなきゃ耳に入らないでしょうしね。
特に人体に無害である点がポイント高すぎますね。人類とゴキブリの戦いに、終止符がうたれようとしている?まぁヤツらの生命力でしたら、ベチバーを食べるまでに進化するかもしれませんが。笑
関連
医学処:ゴキブリの嫌う鋼板を開発する。
医学処:耳の中に大量のダニが生息していて騒音と痒みに悩まされる。