10代の若者が精神科に掛かる数は増えている。「精神科の敷居が低くなってきている」と愛知淑徳大の古井景教授(精神医学)は説明する。
多くの子供たちが鬱状態にあるというデータもある。北大の研究チームが昨年、小4〜中1の738人を診断したところ、軽症も含め鬱病と診断されたのは全体の3・1%。“有病率”は中学1年では実に10・7%に達した。
古井教授は、家族や友人関係が希薄になりつつあることが背景にあると指摘する。「ストレスを吸収するサポート態勢がなくなり、精神科に丸投げされるようになった。(何らかの精神的な問題を抱えると)『ストレスで鬱だから』と精神科に掛かることがトレンドともいえる状況だ」
古井教授は「本来、精神科は脳の問題で薬を使うことが中心。鬱病の薬を出しておしまいということもありうる」と、悩みの“抜本解決”につながらない可能性も指摘している。
難しいところですねー。
本来多感な時期である10代こそ、鬱病とか、関連があると思うんですよね。統合失調症でも若い時期に現れるタイプのものもありますし、人格障害などが顕著になるのも10代後半ごろだと思います。
精神科にはどんどん来たほうがいい、とは思います。鬱病など、世間体を気にしすぎて我慢してしまうのが日本の精神科領域の特徴ではあります。もっと積極的に病院を受診するぐらいで構わないのではないでしょうか。
ただ、ネットが発達して、精神科の病気自慢といいますか、薬について楽しそうに話し合っているのも、よくみられるようになりました。正直言って、鬱病の薬に関しては競うように話してもらいたくはない、と思いますね。投薬に関しては医師と患者の相互関係が非常に重要で、うまくいけば自分に適切な薬、投与量も決められます。それを阻害させる大きな要因の1つではあると思います。
もともと、10代の鬱病の有病率は結構高いものだと思います。増えているわけではないと思うので、そこは心配していないのですが、受診するのならば医師との信頼関係作りを、してほしいですね。ネットは、あくまで参考程度、という形で。
逆にネットで、精神科の話題を行うのであれば、10代の子たちが見ても間違った方向に流されないように、情報を提供していただきたいと思います。
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