愛知県岡崎市に伝わり、独自の製法で知られる八丁みそに、脳の学習能力を向上させる効果があることを、名古屋市立大大学院の岡嶋研二教授、原田直明准教授らのグループが、マウスの実験で突き止めた。岡嶋教授は「この地方が戦国時代に三英傑を生み、岡崎出身の徳川家康は天下を治めたのも、八丁みそと関係があるのかもしれない。ぼけ防止の効果も期待できる」と話している。
岡嶋教授らは、5匹ずつのマウスに八丁みそと普通の豆みそ、みそ以外のえさを4週間食べさせた。その後、それぞれのマウスを直径120センチの円形プールの中で泳がせ、直径10センチの丸い台を探して到達するまでの時間を計測。その結果、豆みそと普通のえさを食べたマウスに比べ、八丁みそを食べたマウスの到達スピードは3日目以降急激にアップし続け、目的の台を探し出す学習能力が向上していることが分かった。
脳の学習能力をつかさどる海馬の神経細胞を活性化させるタンパク質「インスリン様成長因子−1」(IGF−1)の濃度をはかると、八丁みそを食べたマウスの方が、豆みそや普通のえさを食べたマウスに比べて1・8倍に増加していることが分かった。
知覚神経が刺激を受けると、神経末端からアミノ酸の複合体「CGRP」が放出され、CGRPが若い細胞に働きかけIGF−1の生成を促進するというメカニズムが分かっている。
豆みそと八丁みその製法は発酵まで同じだが、八丁みそはその後、約2年半、石積みしたたるの中で熟成させる。岡嶋教授は「熟成期間にIGF−1生成を促進させる何らかの成分ができているはずだ」とみて、成分の特定を急いでいる。
味噌のうまみって凄いですよね。海外行って味噌と離れると、日本に帰ってきたときの味噌汁の味などもう絶品ですよ。
で、そんな味噌の中でも八丁味噌が学習能力に効果あり、ということです。本当かどうか分かりませんが、何があってもふしぎではないほど可能性を秘めているのが食品関係ですからね。
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毎日新聞 3月20日(火)2時2分配信
名古屋市立大は19日、老化防止研究などの論文に改ざんや捏造(ねつぞう)があったとして大学院医学研究科の原田直明准教授(44)を懲戒解雇、監督責任者として岡嶋研二教授(58)を停職6カ月の処分にした。名市大の調査専門委員会によると原田准教授は熊本大研究生時代(05年)の1本を含む計8本の論文で過去の実験画像を新しいものとして使ったり、画像に手に加えたという。原田准教授は「論文作成中に、仮に作成したものを誤って使ってしまった」と説明しているが、調査委は信用できないと判断した。
監督の教授停職 岡嶋教授が責任著者を務めた論文19本で画像に手が加えられたり、他の実験画像の流用が判明した。調査委議長の今川正良副学長は「岡嶋教授の不正関与を裏付ける証拠はなかったが、本人が不正に気づいていなかったとは考えられない」と述べた。
処分された2人は育毛や老化防止、認知症予防に役立つ物質を研究。学外から指摘があり、昨年3月から調査委が調べていた。戸苅創(とがり・はじめ)学長は「研究機関としてあるまじきことで大変遺憾。早急に再発防止に努めたい」とのコメントを発表した。【河出伸】