MRI(磁気共鳴画像化装置)は、エックス線検査で見つけにくい脳などの軟らかい組織の病変や、血流の状態、腫瘍の性質をとらえられる。エックス線を使うCT(コンピューター断層撮影)のように被ばくの心配がなく、精密検査での利用が増えている。だが、非常に強い磁場を発するため、検査を受ける際には注意が必要だ。
例えば、1・5テスラ(テスラは磁界の強さの単位)の一般的なMRIの近くで1キログラムのスパナを持つと、スパナが装置の磁石に引き寄せられ、約20キログラムの重さに感じる。米国では、誤って持ち込んだ酸素ボンベが装置に引っ張られて宙を飛び、当たった患者が亡くなる事故が起きた。検査の際は、アクセサリーや筆記用具、ワイヤの入った下着など、金属を使ったものはすべて外す。
MRIは、電磁波を体に当てて、磁場の変化や戻ってくる電磁波をもとに体内の様子を画像化する。この電磁波が金属に当たると、電磁誘導で熱を発する。体内に手術で使ったクリップや差し歯などの金属があると、やけどを起こす恐れがある。化粧品やコンタクトレンズにも、色を付けるため金属を使っているものがあり、やけどの危険がある。
森墾・東京大病院放射線科助教は「心臓ペースメーカーや人工内耳は強い磁場で壊れるため、装着した人は検査を受けられない。検査中は狭い筒の中で20〜30分間、じっとしなければならないため、閉所恐怖症の人も不向きだ。事故や戦争などで偶然体内に金属片が残っていることもあり、事前に医師に相談してほしい」と説明する。
金属だけでなく、カラーコンタクトなどもNGです。検査を受ける前に検査についての説明を受けると思いますが、不安なことがありましたら聞いておきましょう。
MRIは画期的な検査ですが、まだまだ患者にとっては苦痛となることもしばしば、です。閉所恐怖という点もそうですが、あの検査中の爆音はなかなか慣れることはないでしょう。頭部のMRIを受けるときは、ヘッドフォンから音楽を流しながら固定するようですが。
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これもしかして電子レンジの中の状態に近い?
検査中に閉所恐怖パニックになったら中止するのかなぁ?
パニックになったら中止しますよー。CTでもそうですけどかなり閉塞感ありますからね。