2007年12月27日

10代患者に対するタミフル治療に混乱も。

タミフル治療混乱も 厚労省調査会結論先送り

 インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動の関係を科学的に検証してきた厚生労働省の調査会は25日、因果関係の有無の明確な結論を出せず、先送りした。10代の患者に対するタミフル服用の原則禁止は継続されるが、例年になく早いインフルエンザ流行を前に、本来必要な人がタミフルの治療を受けられないと懸念する専門家もおり、医療現場では混乱が予想される。

 調査会座長の松本和則・国際医療福祉大教授は、現状維持の結論について「現時点ではタミフルと因果関係を示す結果は得られていない。解析が終わっていない調査があり、使用解禁の根拠がない」とした。

 この日報告された同省研究班の調査では、タミフルの服用の有無にかかわらず17歳以下のインフルエンザ患者での異常行動の発生率は、軽症例を含め約14%。飛び降りなど危険性の高い異常行動は0・5%に上った。10〜17歳で見るとタミフルを服用しない患者の異常行動発生率は11%と、服用した群の6%に比べ高かったが、大きな差(統計的有意差)はないとした。同省が10代への使用中止を求めた3月21日以降も、30歳未満で35例の異常行動が報告され、うち23例はタミフルを服用していなかった。

 今回の現状維持の決定で医療現場での混乱は続きそうだ。調査会座長の松本教授は「10歳未満は、医師と相談して決めてほしい」とするが、インフルエンザの治療に詳しいけいゆう病院(横浜市)小児科部長の菅谷憲夫さんは、「『タミフルを飲まなければ大丈夫』という認識は誤り。10歳未満の患者はインフルエンザで肺炎を起こす可能性もあり、必要な患者には処方することも大事」と指摘する。

 東京小児科医会会長を務める松平小児科(東京都文京区)の松平隆光院長は、タミフルが異常行動の原因である可能性が残っている以上、原則タミフルを処方しない方針だ。10歳未満の患者で「不安だから飲ませたくない」という親がいる一方、「以前飲ませたら急に熱が下がった。できれば処方して」という親もいるという。そうした親には、「水を十分飲ませ、寝かせてあげて」と説明している。



 分かっていないことな以上、医師の判断にまかせたほうが良さそうです。

 インフルエンザは本来、水分を取って寝ていれば治る病気です。しかしながら、インフルエンザは脳症や肺炎など、重症となる可能性もある病気です。

 そこを見極めて医師がタミフルを出す、出さないを決めればいいと思います。

 今年の冬は、いつも以上に「親との闘い」となりそうですね。「タミフルを出さないから脳症になって後遺症が残ったんだ!」という訴訟すら起こりそうなほどに。
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posted by さじ at 05:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
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