救急医療の現場では命を救うことが最優先だが、精神疾患を発症するとけがの回復やリハビリ、社会復帰にも影響しかねない。鬱病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の予防につながる精神的ケアは、本人や家族のためはもちろん、社会的にも重要だ。
交通事故でも、体験や記憶が心に少なからず影響を与えることが今回の調査で判明したが、今後、事故後の鬱病やPTSDが、けがの回復やリハビリにどう関係するかの研究も期待される。
研究班によると、交通事故の患者は、全国の救命救急センターに新たに入院する人の1割ほど。ほかの事故や災害に遭った人にも今回と同じような傾向がみられる可能性もある。
PTSDについては1995年の阪神大震災後、取り組みが目立つようになったが、ほかの病気も含めて実態が明らかになれば、医療の進歩につながるだろう。
交通事故にあって命が助かったからよしとするのではなく、その後の社会復帰等を考慮していくことも、今後必要なことなのでしょう。
もともと救急の現場というのは、うつ病や統合失調症の患者もかなりいるので、精神科医が出向くことはしばしばあります。PTSDの患者さんにも、メンタル的なケアを考慮しつつ、対応していければ理想的ですね。
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