臓器提供者の不足で低迷する脳死臓器移植の拡大が改正の狙いだが、提供に本人の意思が必要かどうかで意見が割れ、法案は一本化できなかった。
家族同意案は「脳死は人の死」を原則とし、患者の意思が不明でも、家族の同意で年齢にかかわらず臓器提供を可能とする。年齢緩和案は、移植に限り「脳死は人の死」とし、提供者の意思表示を必要とする現行法の考えを踏まえたうえで、提供の年齢制限を「15歳以上」から「12歳以上」に緩める。
両案は昨年8月、国会に提出されたが、衆院解散に伴い審議入りせず廃案となった。一方、「脳死は人の死」とする考えに反対する民主、社民両党の有志議員も対案提出に向けて準備を進めている。民主党も党議拘束はかけない見通し。
現行の法律では、臓器提供に本人の書面による意思表示が必要なうえ、年齢制限もあって臓器提供は伸び悩み、小児脳死移植の道も閉ざしている。同法に基づく脳死判定は1997年10月の施行以来、45例、脳死移植は44例行われている。
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脳死が人の死かどうかを、政治家が議論して決まるわけがないと思うのですが…。民主党と社民党の主張を聞きたいところですね。私は死だと思っています。
家族同意案は、日本では難しいのではないでしょうか。家族間の繋がりはアメリカより濃いのに、自分のモノ(この場合身体)に対する主張が強いのもまた日本人の特徴ですから。脳死が人の死かどうかを延々議論し続けるほど儒教的素質の強い国で、本人の同意なく臓器提供が行われるわけがない、と現実を悲観視してしまいます。個人的には賛成です。
年齢緩和案は、どうなんでしょう。これが通らないといつまでたっても「アメリカに臓器を買いに行く日本人」という事実が無くならないのでは?ですが年齢緩和案は家族同意案が通らないと無理ですよね。幼い子供に「意思表示」を求めても、それが「本人の意思」なのかを認めるのは難しいと思います。
1件1件のペースが上がってきているとはいえ、来年で10年目だというのにたった44例しか移植されていない現実をみると、やるせないです。正直。別に日本人がアメリカ人に比べて自己中だから臓器を提供しないんだとか言うわけではありません。それは宗教観の違いなだけで、そういった風土の基に成り立っている社会なわけですから、「変えろ」とは言えません。
ですが、臓器移植にもっと関心を持ってほしい、そう思います。意思表示を国民がするだけで大きく変わります。臓器提供したくねーと思ったら「しない」という意思表示をするべきなんです。そのためのドナーカードなんですから。アレは提供したい人だけが持つものじゃないんです。
今も何百人何千人という人が臓器を待っているでしょう。その人たち、そしてその家族は臓器移植に当然賛成なはずです。しかしその病気にならなかった場合、果たして臓器移植について考えたでしょうか?私のこの問いは結果論ですが、では逆に、今、臓器移植について意思表示をしておくことが、将来臓器移植を視野にいれることになった時にとても重要な意味をもってくると思いませんか?
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