文部科学省は、山中伸弥・京都大教授が開発した「万能細胞」(人工多能性幹細胞=iPS細胞)研究を支援するため、他大学を含めた専門家が活躍できる国内研究拠点を、京大に整備する方針を決めた。
人材や研究資金が豊富な欧米など海外研究チームの猛追を振り切り、日本がiPS細胞を利用した再生医療の実現で先陣を切るには、オールジャパンの体制が不可欠と判断した。
iPS細胞の研究拠点は、京大が今年10月に開設した、「物質―細胞統合システム拠点」(中辻憲夫拠点長)の一部に位置づける。同拠点は、再生医学研究などの分野で世界最高水準の研究機関を目指し、今後10年間で約250億円の資金を投入する。
iPS細胞の研究拠点は、山中教授をリーダーとし、全国の再生医学研究の第一人者が、それぞれの所属のまま利用できる共同利用施設にする。新たな施設、設備を確保し、iPS細胞を目的の細胞に変化させる技術や安全性確認検査など関連分野の研究を重点的に行い、iPS細胞研究の先行性を生かす。
山中教授は今月7日、渡海文科相と面談し、全国の優れた万能細胞研究者らでつくるiPS細胞研究チームを1チーム結成し、「研究者がチームワークをはぐくむための合宿所」のような研究拠点の整備を要請。渡海文科相も全面支援を約束していた。
これからの新しい医療をリードするかもしれない発見ですからね。何百億もかけるインパクトはあります。
せっかく日本が発見したのに他の国で改良されて実用化の特許をとられたら大損ですからね。ここは何としても日本が先行していきたいところです。
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