徹夜することでうつ病を治療する「断眠療法」に、秋田大学医学部神経運動器学講座精神科学分野の医師グループが取り組んでいる。一晩眠らないとうつ症状が劇的に改善する効果があることは以前から知られていたが、その後に眠ると症状が逆戻りするなど欠点もあり、あまり普及しなかった。同グループは断眠だけでなく段階的に睡眠の前倒し、高照度光療法を組み合わせることで、断眠の効果が持続するよう工夫した。11月から臨床研究を始め、既に効果が出ているという。
治療期間は1週間。初日に全断眠(徹夜)し、翌2日目は午後5時に就寝。3日目、4日目は就寝時刻を午後7時、午後9時と段階的に遅らせて(睡眠位相前進)、5〜7日目の3日間は基本となる午後11時就寝に戻す。
2日目以降は起床後の毎日2時間、約3000ルクスの光を浴び続ける高照度光療法を受けるのも特徴。
入院して治療を受ける。入院期間は治療経過による。断眠療法中は観察者が付き添い、眠らないようにサポートする。まれに疲労感や食欲低下、頭痛などが起きることもある。我慢できない場合は途中で中止することもできる。
ただ徹夜をすればいいというわけではないようです。睡眠や生活サイクルを変えればうつ病や神経症は改善する可能性はあります。秋田大学のこの治療法で特徴的なのは入院することと、光を高照射することです。日光とうつ病との因果関係は色々言われていましたので、これはかなり画期的な治療法かもしれません。
似たような入院療法としては神経症の「森田療法」が挙げられます。こちらも入院して、少しずつ神経症を治していく治療法ですが、その効果は絶大なものでした。秋田大発の断眠療法も、全世界に広がるかもしれません。
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