勤務医の過重労働が社会問題となる中、過労死や過労自殺による労災や損害賠償を認められた医師は、今年に入って計6人に上っていることが、過労死弁護団全国連絡会議(幹事長・川人博弁護士)のまとめで分かった。
1970年以降で同会議が把握したのはこれで21人。労災の認定基準が緩和されたことを差し引いても、今年は突出している。川人弁護士は「医師不足などを背景に、現場の負担はピークに達している」と指摘。医療現場には過労死など遺族が言い出せない雰囲気があるとして、「認定されたケースは氷山の一角で、労働環境の改善が急務だ」と訴えている。
6人は1996〜2006年に亡くなった20〜40歳代の医師で、うち4人は03年以降の死亡だった。死因は、3人が急性心不全や心疾患などの病気、3人は自殺。補償の内訳は、労災認定が4人、訴訟での損害賠償の認定が2人だった。診療科別では麻酔科、小児科、研修医が各2人。
死亡事例以外でも、昨年1月に脳出血で倒れ、半身まひになった広島県の40歳代の産婦人科医が今年8月に労災認定を受けている。
なんというか、医師の世界って、未だ「体力勝負」なところがあります。「体力がなきゃ医者はやっていけないんだ」と。
たしかにそれが現実なんですが、それは医学と矛盾してるように思います。何故医者が体力勝負をしなければいけないのか、と。勿論医者が不足しているからとか、厚生労働省が診療報酬を減らしているからとか、色々あるんでしょうけれど、患者のQOLの改善ばかりに力を注ぐあまり、医療従事者のQOLは軽視されているように思います。今の医療を成り立たせるためには仕方のないことなんでしょうけれど、いずれ、破綻すると思いますね。
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