2007年12月14日

高血圧治療薬の大いなる進歩と現状について

高血圧の薬 合併症のリスク下げる

 自覚症状がないまま脳卒中や心臓病、腎臓病など、命にかかわる病気になるリスクが高まっていく高血圧。「サイレント・キラー(静かなる殺人者)」と呼ばれるゆえんだ。成人の三分の一は高血圧といわれるほど多いが、血圧コントロールは十分されていないのが現状だ。今月は降圧薬を中心に、高血圧について取材した。

 病院の計測で収縮期(最高)血圧140、拡張期(最低)血圧90のいずれか一方でも超えると、一般的に高血圧とされる。高血圧が長く続くと、血管を傷つけ動脈硬化が進み、脳卒中、心疾患を合併しかねない。治療ガイドラインでも、生活習慣の改善で血圧が下がらない場合、薬を使った積極的降圧を勧めている。

 横浜相鉄ビル内科医院(横浜市)の森壽生院長らが神奈川県内の開業医らを対象に行った調査では、最も使用されていたのはカルシウム拮抗薬で、次がアンジオテンシン2受容体拮抗薬。「降圧薬の普及と進歩は著しく、現在、降圧目標に達せられないケースはほとんどない」と森院長。薬の選択肢も多く、冒頭の女性の場合も「副作用がない薬も選べる」と話す。

 降圧薬の進歩の一方、必ずしも血圧がコントロールされていないのが現状だ。高血圧の人は全国で約三千五百万人と推測されるが、高血圧の認識のある人はその半分で、うち医師にかかっているのは半分。その中で血圧が管理できているのは半分といわれる。

 名古屋市立大大学院(臨床病態内科学)の木村玄次郎教授は「そもそも高血圧治療の最大の目的は脳卒中、心疾患といった合併症を防ぐこと。合併症の最大のリスク因子である高血圧の怖さが認識されていない」と現状を憂う。

 治療は生涯にわたり、患者自身の自己管理が求められるが、自覚症状がほとんどないため「薬さえ飲んでいれば安心」と医師任せにしたり、途中で治療をやめたりする人も少なくない。医師側も一人一人の病態にあわせて降圧目標を設定し、QOL(生活の質)にも配慮しながら治療の継続を働きかける必要があるが、忙しさから十分にできていないこともあるという。

 しかし、森院長は「患者の意識が高まるほど、血圧がコントロールされる」と強調。同院では、初診時に十分に説明するなどし、患者の73%が降圧目標を達成するが、家庭で血圧を測るなど意識の高い患者では83%に上るという。



 日本人が最終的に死ぬ原因としては脳の血管が破れたり詰まったり、もしくは心臓に異常を来たしたり。その大元の原因となるのが、高血圧です。

 血圧が高い、と簡単に言いますが、血管壁にかかる圧力がずーーーっと何十年も高いということです。そりゃ人より破れやすいでしょう。

 高血圧の9割が本態性高血圧といって、原因のよくわからないものです。原因を取り除く術がないので、ただ薬で血圧を下げるしかない。一生です。はっきりいって面倒なことです。でも血管を守るためには仕方ありません。

 残りの1割は、例えばホルモン異常によるものですとか、腫瘍から産生された因子によるものですとか、色んな原因があります。数が少ないとはいえ、こちらは治る可能性がありますので、病院で鑑別診断が必要になります。

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posted by さじ at 01:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環
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